町田 そこから2年経って、今回の「エチュードプロジェクト」を立ち上げたわけですが、ポイントは、作品の「著作権をあえて問わない」という点です。

——具体的にはどういうことでしょうか?

町田 誰もが自由に滑れる共有財産となるよう、「クリエイティブ・コモンズ・ライセンス」(CCライセンス)で作品を管理します。これは、作者が「この条件を守れば私の作品を自由に使ってかまいません」という意志表示をするためのツールで、SNSでの作品公開が普及してきた近年、新たに整備された著作権ルールです。

今回の作品を利用できる条件は次の3点。

1. クレジットを明記すること

2. 非営利目的であること

3. 元の振付を著しく損なわない常識の範囲内であれば、振付改編も可能

これらの条件さえ守っていただければ、許諾なしで自由に使用していただけます。

エチュード#1−3 クリエイティブ・コモンズ・ライセンスについて

——なるほど、ハードルが低い! テクニックの難易度を下げたりしてもいいんですね。

町田 はい。作品の中には3回転ジャンプやスピンを入れていますけれど、例えば1回転のジャンプや簡単なスピンなどに代えて、ご自分が踊れるようにしていただいて構いません。老若男女、あらゆるスケーターの方に親しまれる作品になればいいなと思っています。