——お二人がトランペットを始めたきっかけは?

児玉 5歳のとき、サンタさんにドラえもんのポケットをお願いしたら、コルネットが来たんです。最初に見たときは「なにこれ?」って思ったんですが(笑)、父がチューバ、母がトロンボーンを吹いているのを見ていたので、金色の光っているこの楽器が自分のものになるというのが嬉しかったのを覚えています。

田代 僕は13歳のときに吹奏楽部とマーチングでトランペットに出会い、自分のお年玉を貯めて楽器を買いました。今日持ってきているのは、その約30年前に買った楽器です。それで1年ぐらいしたら「トランペットの神様」と言われるピッコロトランペットの名手、モーリス・アンドレにハマりました。

児玉 僕も5歳のときにモーリス・アンドレが野外で吹いているYouTube動画が好きで、しばらくはあれしか聴いていませんでした。

田代 5歳って早いですね。サンタさんは見る目ありましたね(笑)。

児玉 管楽器ってたいていは歯が生え揃ってから始めるものなので、早かったと思います。大人の歯に生え変わる頃にはもうトランペットを吹いていたので、歯並びがトランペット用になっちゃってます。歯医者さんからは、歯には良くないけどっていわれましたが(笑)、トランペットを吹くうえではすごくいい歯並びだと思います。

児玉隼人(こだま・はやと)
2009年、北海道釧路市生まれ。5歳からコルネットを吹き始め、9歳から本格的にトランペットを始める。
2024年、第39回日本管打楽器コンクールトランペット部門において、全部門での史上最年少で第1位、及び文部科学大臣賞、東京都知事賞を受賞。併せて特別大賞(内閣総理大臣賞)を受賞。2025年、第6回ウィーン国際音楽コンクールにて金賞を受賞。その他にも、日本ジュニア管打楽器コンクール、日本クラシック音楽コンクール、大阪国際音楽コンクールなど、数々のコンクールで優勝している。これまでに、東京フィルハーモニー交響楽団、新日本フィルハーモニー交響楽団、東京交響楽団、などと共演。NHK「クラシック音楽館」、テレビ朝日系「題名のない音楽会」など、多くのテレビ番組に出演している。
これまでにトランペットを松田次史、辻本憲一の両氏に師事。その他にも、イエルーン・ベルワルツ、セルゲイ・ナカリャコフ、ガヴォール・タルケヴィー、クリストファー・マーティンの各氏など、著名な奏者のレッスンやマスタークラスを多数受講。2024, 2025年度ヤマハ音楽支援制度奨学生。第7回服部真二音楽賞《Rising Star》を受賞。2025年2月に1stアルバム「Reverberate」をリリース。
現在、カールスルーエ音楽大学のプレカレッジにて、ラインホルト・フリードリヒ氏に師事。