田代 ヨーロッパの本場で経験したことって、将来の土台になると思うんです。僕も小学生のとき、テノール歌手だった父親が3年間ミラノに住んでいたので何度か行きましたが、父について劇場に行ったり、スカラ座のオーケストラを聴いたりしたことが僕自身のベースになっていると思います。

日本に帰ってきて中学生になったら、みんなが制服をダボダボに着崩しているのを見て、全然カッコいいと思えなかったのも、本場ヨーロッパの社交界で、究極のカッコいいジェントルマンを間近で見ていたから。クラシカルスタイルやその所作というものを学んだことは、例えばミュージカル『エリザベート』で皇帝フランツ・ヨーゼフや『マリー・アントワネット』のフェルセン伯爵を演じるときの軍服の着方なんかに活かされていますね。

児玉 僕も最初に行った国がイタリアで、例えばローマだと、おそらく日本でいうと最初に京都を見て「ザ・日本」を感じるように、「ザ・ヨーロッパ」みたいなものを最初に経験したんですね。その感覚はとても強烈でした。