僕自身、ちょうど10年前の2014年に中咽頭癌をやってから、まともな声が出ないからオーケストラの練習がひじょうにつらい。特に午前中。練習はどうしても話す、説得する、対話する、時には歌ってみせる必要が不可欠だが、一日の練習の最後まで喉が持たないし、身体全体だれてきて長く続けられない。そんな自分が許せない。
ひどいのは喉だけだが、老化と腎臓の結石が2年にいっぺんは落ちてきてヒドイ痛みで簡単に対処できないことがずっと続く。その結果、腎臓が弱っていて腰痛があり、座骨神経痛も相まってやってられない!
去年一昨年は、夏の間ずっと病院のベッドに寝たきりで夏がなかった。そのうち足腰も弱り、見た目は血色が良いがそれは表面だけ!まあ78歳ともなれば普通ですが異常に大変。でもヤル気があればやるでしょうが、去年「A WAY from Surrender~降福からの道」というミュージカル風オペラを作曲上演したのが大きな到達点で、14歳の頃からの人生の意味への疑問や、愛情とは何か、神とは何かという命題に対して自分なりの答えを音楽化したので、もう良いかな、と思ってしまったのだ。
このあとが繰り返しになるのが恐ろしいので、やめるんです。僕自身自分はたいした音楽家だとは思えないし、世の中音楽ばかりではないし、と。