ヴァイオリン奮闘中! 峰龍太郎との共通点は?

——たくさん登場するクラシック音楽の中で、特にお好きな曲は?

有澤 ベタなのかもしれませんけど、「ベト7」(ベートーヴェンの交響曲第7番)ですね。この曲は本当に好きで、ずっと聴いています。最初の1音目を聴くだけで、なんか“ハァーっ!”って高揚するんですよ。クラシック音楽って曲が長いですけど、知ってるフレーズがいくつもあるし、物語性を感じます。

ベートーヴェン:交響曲第7番

——映像版では永山瑛太さんが演じられていた、ヴァイオリニストの峰龍太郎役はいかがですか?

有澤 峰は最初、陽気でにぎやかな役どころかなと思ってたんです。実際、見た目も金髪だしロックが好きな感じですし。でも稽古が進むとその印象は変わりました。峰が本当は劣等感を抱えている人間で、それを紛らわせるために自分の苦手なことを避けて、得意なことばかりしてしまうところに共感したんです。自分にもそんなところがあるなって。そんな峰が千秋と出会い、クラシックの魅力に気づいて変わっていきます。

——舞台ではヴァイオリンを弾くパフォーマンスに挑みます。お稽古のほうはいかがですか?

有澤 ここ1か月、教室に通ってかなり練習しています(笑)。子どもも教えている先生なので、すごくわかりやすく教えもらえて助かっていますね。大人になって何かを1から習うって新鮮じゃないですか。でも、弾くのはすごく難しい。

たとえば、ピアノだと鍵盤を押すと音が出ますけど、ヴァイオリンは音を出す練習からしなければなりません。右手を一定の強さで動かす練習では、最初は弓が軽いなと思っていたのに、滑らかに弾こうとするほど「こんなに重たかったっけ?」と感じます。とにかく日常的に楽器に触れなきゃいけないと思って、練習は毎日していますね。

あと、舞台ではエレキヴァイオリンを弾くシーンもあって。こちらはただ弾くだけではなく、身体を使って弾くのが難しいですね。いろんな人に相談しながら、仕上げていきたいと思っています。