2006年、12年、16年の3度にわたって指揮台に立ったヤンソンスの演奏も忘れられない。特有のねっとりとした歌い口を、ダンス音楽のユーモアで包み込んだ解釈が魅力だ。この演奏会で2000年代に入って取り上げられるようになったヘルメスベルガーの《悪魔的ダンス》(2012)には、そんな彼と、それを受け止めるウィーン・フィルのよさが出ている。
ヨーゼフ・ヘルメスベルガーJr.:《悪魔的ダンス》(2012年、マリス・ヤンソンス指揮)
若手指揮者の中では、今のところ2017年に1度登場したきりだが、ドゥダメルの回が新鮮だ。ウィーン・フィルの響きに敬意を払いつつ、彼ならではのスピード感溢れる解釈を披露。とくにポルカ《さあ踊ろう!》は、演奏会場内に少年少女のバレエが登場したことでも、大いに盛り上がった。
J.シュトラウス2世:ポルカ《さあ踊ろう!》(2017年、グスターボ・ドゥダメル指揮)