“ここで演奏したい” 新日本フィルとの出会い

——そこから再び音楽の勉強を?

藤井: 藝大には「別科」という2年間のコースがあって、当時習っていた九州交響楽団の先生に勧められて受験しました。合格後は藝大の先生に師事して、2年間みっちり学びました。卒業後は1年ほどフリーとして活動し、半年後に新日本フィルの契約団員に。契約期間中にあったオーディションに合格して、正式に入団しました。

——新日本フィル入団後の印象は。

藤井: リハーサルの密度が高く、集中力が求められる現場だと感じました。セクションごとの個性もありつつ、全体としては意見が言いやすく、フラットな空気感のあるオーケストラです。エキストラで参加していた頃から、演奏するのが楽しい現場だったので、今こうして一員になれてうれしいです。

——新日本フィルの特徴は何だと思いますか。

藤井: コントラバスに関しては「しっかり音を出す」文化があります。他のオケでは控えめな音量を求められることもありますが、新日本フィルでは低音の存在感を大事にしていて、それが演奏全体のエネルギー感にもつながっていると思います。