3. 指揮者を選んだ理由は?

沖澤 最初はオーボエを続けたかったのですが、当時高校の吹奏楽部に所属していて、部活の楽器を借りていたので、自分の楽器を持っていませんでした。姉がチェロで音高から音大に進学して、楽器も高いと知っていたので、今さら親に楽器を買ってほしいと言い出せなくて……。中学生のときに大人用のサイズに買い替える時点で、もう音楽の道に進む気はないって伝えていたんです。

でも、演奏をしたかったんです。研究とかではなくて、自分が演奏するのが楽しかったので。藝大のことを調べていたら「指揮」というのが目に入って。それで、「指揮科だったら楽器を買わなくても受けれられる!」と思ったんです。

もともとソルフェージュなどは子どもの頃から勉強していたし、和声や聴音といったけっこう得意な項目があったから、指揮さえ頑張ればなんとかなるかもと思いました。半年くらいその受験の曲だけをレッスンで見てもらって、なんとか入ったので、入ったあとが大変でした。

——初めて「指揮をしよう!」と思ったとき、どうやって指揮を始めたのですか?

沖澤 わからなかったので、所属していたジュニアオーケストラの指揮者の先生にまず相談しました。何冊か指揮法の本を読みなさいと言われて読んで、先生に叩きとか基本の動きを見てもらって、そのあとはジュニオーケストラの客演指揮者の先生にも東京でレッスンをしてもらいました。あとは、藝大で夏休みに開催されている一般講座というのがあって、一般向けの指揮法の講座も受けてみました。そこで出会った先生に受験まで面倒を見ていただいた感じです。

——すごく凝縮されていますよね。

沖澤 1年ちょっとですね。

4. もし楽器をマスターするなら何がいい?

沖澤 ヴァイオリンを弾きたいです。やっぱりオーケストラの心臓というか。ヴァイオリンを自由自在に弾けたら、弦楽器の奏法なども友達に聞いたりしないで、もっと自分でいろいろ試せるのにと思います。あとはやっぱり、ヴァイオリンなど、弦楽器をやっていた指揮者が好きなんですよね。

オーケストラに関係ないんだったら、邦楽器もやってみたいです。箏や三味線など、日本の楽器にも興味あります。