24. 超能力を持てるとしたら、どんな力がほしい?
沖澤 瞬間移動! やっぱり移動が多いので。
旅行に行くときは移動の時間も含めて旅行で、距離を感じたり、いろんな景色を見たりってあると思うんですけど、やっぱりヨーロッパと日本を行き来していると、あまりにも移動が長い。飛行機ができる前に比べたら贅沢な悩みなのですが、1人で日本に帰国するときには、リハーサルが終わったらどこでもドアがあって、家族の家に帰れたらいいのにと思います。
25. 自分の意外な一面は?
沖澤 ほかの人からは結構いい人に思われるのと、ストイックに思われます。自分では生まれつきそうだから意外でもなんでもないんですけど、もしかしてその自分が外に見えてる姿から意外性があるかなと思うのは、そんなにいい人じゃなくて物の見方がシニカルだと思うのと、あとはナマケモノですね。
——シニカルっていうのはどういうときに感じますか?
沖澤 子どもの頃に学んだんですけど、小学校の頃にジョークがきついと言われました。ブラックジョークというか。思ったように言ってしまうと傷つく人もいるんだなと学んで、今は発言に気をつけています。
海外に出てベルリンに移ってから、ジョークで「これ言ってもいいんだ」と思うことがあって、また少し幅が広がりました。特に夫と出会って、自分の黒さみたいな部分を出せるようになって、今までけっこう抑えていたんだと気づきました。具体的な例が思いつかないんですけど。
——ジョークのツボが旦那様とは合うんですね。
沖澤 すごく合う。いや、でも夫はかなり強烈なので、日本では絶対気を付けてねってよく言ってます(笑)。
26. 好きな映画は?
沖澤 一時期イタリア映画にはまって、今でもたまに見返す『イル・ポスティーノ』という映画ががたまらなく好きです。空気感と、社会の階級を飛び越える芸術という存在。それが押し付けがましくなく、 すごく綺麗に可愛らしく描かれています。最近見ていないから、また見たくなりました。
27. 影響を受けた本は?
沖澤 最近あんまり本を読めていませんが、子どもの頃はとにかくミステリーを1日1冊読んでいました。
——日本のミステリーですか?
沖澤 日本のです。翻訳の本が読みづらく感じて。小学生くらいまでは、海外の『大草原の小さな家』のシリーズなどもよく読んでいました。中学校くらいから、親が読んでいるミステリーを一緒に読むようになって、大学に入って、村上春樹とか一通り読みました。
青森出身というのもあって、太宰治と寺山修司にけっこう影響を受けてるかな。ちょっと卑屈な感じが自分にも合うっていうか。