音楽を学ぶことで身につく強固な基礎 それはどの分野にも役立つ

現在、100人を超えるNYO-USAの卒業生が、世界中の名門オーケストラで活躍しており、首席奏者も少なくないという。しかしこの100という数字は、参加者のすべてが必ずしもプロの演奏家の道へ進むわけではないことを意味する。

「面白いことに、ユースオーケストラでは、たとえ国内トップクラスの奏者が集まっていても、その多くが将来プロの音楽家になるわけではないんです。私の英国での経験も、NYO-USAでもまったく同じです。何しろ、みんな他にも才能があるのですから。

私の場合は、情熱を注いでいたのは数学と音楽でした。大学を選ぶときも、数学を学びに行く場所でありながら、音楽が大きな役割を果たしているところを選びました。そして最終的に音楽を選んだわけです。

数学でも音楽でも、成功するには強い意志が必要です。論理的でなければいけないし、徹底的かつ厳密に取り組む必要があります。でも、どちらも本質的にはとても創造的な分野なのです。

ただし、創造性は技術とスキルがあって初めて発揮されるものです。つまり数学と音楽に共通するのは、強固な基礎――厳密さ、規律、献身、そして情熱――が必要な点です。その基盤の上に、創造性が生まれる可能性があります。

音楽を学ぶ人なら誰でも、そうした訓練を受けることになります。それは将来どのような分野においても貴重な経験になりますし、たとえ別の道に進んでも、音楽は人生の大切な一部であり続けるのです」

【証言2】NYO-USAは、音楽的にも人間的にも成長する機会を与えてくれた

パーカッション奏者、リカルド・クルーズ(ワシントンD.C.出身、NYO-USA 2024および2025参加)

 

「NYO-USAでの経験は、多くの独特な方法で人生を変えるものでした。国内でもっとも才能ある若い音楽家たちと1か月間、リハーサル、旅、そして演奏を共にする素晴らしい経験だけでなく、NYO-USAは音楽的にも人間的にも成長する機会を与えてくれました。

共通の課題、長時間のリハーサル、そして忘れられない公演を通して築かれた友情と繋がりは、一生続くものだと確信しています!」