音色をつくる過程で「自分の音楽の解答が変わる」

そのあともチャイコフスキーの《弦楽セレナーデ》の冒頭部分を使いながらさまざまな音の組み合わせを試したり、レガート奏法についてさらに深めていくレッスンが行なわれたが、近藤はオルガンの音色について 「さまざまな音色を持つパイプの個性を理解した上で、それらを組み合わせて音色をつくる作業がとても大事です」と説明し、オーケストラの曲を書くように、オルガンでは音色の組み合わせを考えていく必要があると言及。それによって「自分の音楽の解答が変わる」と語った。

指揮の勉強を続けている反田にとって、オルガンの音色づくりはオーケストラを指揮する上でのインスピレーションも与えてくれたようだ

反田の今後の課題はやはりピアノでは使用しない「足鍵盤」ということになり、今後のレッスンでは足鍵盤を活用する曲を扱っていくというところで今回は終了。ピアノとオルガンの違いがさまざまに浮き彫りとなった第1回の「オルガン道場」だが、今後の反田の成長が大きく期待される回となった。

反田恭平(左)のオルガンの「先生」、横浜みなとみらいホールのホールオルガニスト・近藤 岳(右)とともに
長井進之介
長井進之介 ピアニスト/音楽ライター

国立音楽大学演奏学科鍵盤楽器専修(ピアノ)卒業、同大学大学院修士課程器楽専攻(伴奏)修了を経て、同大学院博士後期課程音楽学領域単位取得。在学中、カールスルーエ音楽大学...