現存するオ・ラパン・アジルやオランピアでは今もシャンソンを楽しめる

残念ながらベルエポックを彩った異色のキャバレーはほとんど現存していませんが、19世紀中頃から芸術家たちが集った「オ・ラパン・アジル」は健在で、今でもシャンソンを聴くことができます。アポリネール、ユトリロ、ピアフ、ここを通過した芸術家たちの歴史を感じるのにぴったりのスポットです。

キャバレーやカフェコンセールは小規模な店舗なので、シャンソン歌手たちは人気が出るとミュージックホールと呼ばれる劇場で歌うことになります。代表的なスポットがオペラ座のそばにある「オランピア」で、1893年に改装後オープンしてから今もさまざまなスペクタクルが楽しめる場所です。その美脚がエッフェル塔と同じくらい名声を博したミスタンゲットもここで歌い、ピアフと共に伝説的ミュージックホールの歴史に貢献しました。

ジュール・シュレ《オランピア》(1892年)

ミスタンゲット「そうよ、これがパリよ」

ムーランルージュのミスタンゲット(1911年)