——両方のコンクールに出るのは勇気が必要だったのでは?

パヴラク そうですね。ピリオド楽器コンクールで入賞したあとに、ショパンコンクールに出て、良い結果につながらなかったらと思うと、リスクでもありました。でも、私は十分やりきったと満足していますし、今回コンクールに出たことで得るものは大きかったです。多くの人に注目していただけたので、将来に活かせたらいいなと思います。

ピリオド楽器コンクールのファイナル

——ではそれらの経験をふまえて、「ショパンらしい演奏」とはどのような演奏だとたどり着きましたか?

パヴラク 私が大事にしたい「ショパンらしさ」に必要な要素はいくつかあります。

1つ目は「自然さ」です。すべてが簡単そうに自然に、まるで即興のように聴こえなければいけません。メロディを見つけて、それをただ奏でるような感覚です。

それと関連しますが、2つ目は「シンプルさ」です。ショパンのメロディは、とてもシンプルに歌うように弾かれたときに、もっとも心を動かすと思います。言葉を発音するように、しかし一息で歌うように。どこかで不自然に引き延ばすのではなく、とてもシンプルにする必要があります。

そしてもっとも重要なのは、「感情」です。これは本当に難しい。どこでどのように感情を表すか考えなければいけません。自分の演奏を録音して客観的に聴き、自分が聴き手としてどんな弾き方にもっとも感情が動くかを研究しました。

しばしば感情はショパンの楽譜の中に隠れています。ショパンが示した規則に忠実で、自然でシンプルに弾けば、それが最良の解決になることが多いのです。

もちろんショパンが何を望んだかは聞けませんし、彼が実際にどう弾いたかもわかりません。だから、うまくいくと感じられるときには、自分の直感に従って、個性的な要素を加えることもあります。