コンサート文化の象徴として

さて、パイプオルゴールが現れると、両脇に立つぶどう畑の番人の老人と少年の人形が、オルゴールを回し始めます。なぜぶどう畑の番人なのかといえば……そう、ヴィンヤード(ぶどう畑)! サントリーホールが日本で初めて採用した、360度客席が取り囲む形式=ヴィンヤード形式にちなんでいます。

左側ではぶどう畑の番人がオルゴールを回しています

このパイプオルゴールは、サントリーホールが開館した40年前からずっと、コンサートの開場を告げてきました。オルゴール演奏が終わってホールの扉が開く高揚感から始まり、コンサートの余韻を味わいながら家路につくまでを一つの「コンサート文化」として捉える、サントリーホールの姿勢を象徴しているともいえるでしょう。つまり、コンサート体験全体の価値を高めるための「儀式」として、このパイプオルゴールは大切な役割を担っているのです。

パイプオルゴールの演奏が終わると開場。コンサートへの期待が高まります