ミュージカルの名作を綴った 「A NEW PROGRESS」シリーズ

この2年は、先の菅野こうめい構成・演出によるブロードウェイ・ミュージカルをテーマにした「A NEW PROGRESS」シリーズを上演。2023/24シーズンは、ブロードウェイ・ミュージカルの名曲を綴った“ミュージカル・オン・アイス”として、『レ・ミゼラブル』より「Bring him Home」、『ミス・サイゴン』より「I’d Give My Life For You」、『アニー』より「Tomorrow」、『ラ・マンチャの男』より「The Impossible Dream」、『ドリームガールズ』より「One Night Only」など、おそらく誰もが一度は耳にしたことがある名曲を披露した。

プリンスアイスワールドチームによるオープニング。長年培われてきたシンクロナイズドスケーティングは圧巻(2023/24 横浜公演)
©Kei Sato

今シーズンは、「BROADWAY Rocks!」と銘打ち、ロック・オペラ・ミュージカルの名作『ジーザス・クライスト=スーパースター』より「Superstar」、『ビリー・エリオット』より「Electricity」、『ヘアスプレー』より「Good Morning Baltimore」、『エリザベート』より「Der letzte Tanz」、『ボヘミアンラプソディー』より「Bohemian Rhapsody」など、観客のボルテージが上がるようなロックナンバーが並んだ。

プリンスアイスワールドチームによる『ヘアスプレー』より《Good Morning Baltimore》(上)、『キンキーブーツ』より《Land of Lola》(左)。個性豊かなメンバーたちの演技力が光っていた(2024/25 横浜公演)
©Keiko Suzuki

音源はすべて本公演のためのオリジナル録音で、昨シーズンは神奈川フィルハーモニー管弦楽団による演奏と、柿澤勇人やエリアンナらミュージカル界で活躍中のアーティストたちの歌唱を使用。さらに公演期間中には録音にも参加している田代万里生や唯月ふうか等が会場で生歌唱を披露した。今シーズンは、特別バンド編成による演奏と、大山真志、安蘭けい、平方元基らの歌唱を録音し、会場では石井一孝、はいだしょうこ、新妻聖子、涼風真世、森崎ウィンなどが生歌唱を披露し、アイスショーを華やかに彩った。

ミュージカルで活躍中の田代万里生による『ラ・マンチャの男』より《The Impossible Dream》。圧倒的な歌唱力と存在感で会場を盛り上げた(2023/24 横浜公演)
©Kei Sato
はいだしょうこによる『ヘアスプレー』より「Good Morning Baltimore」
涼風真世による『エリザベート』より「Der letzte Tanz」。はいだは美しい高音で歌い上げてリンクに花を添え、涼風は低音から伸びやかなファルセットで迫力あるトート(死神)を表現した(2024/25 横浜公演)
©Keiko Suzuki