第32回「出光音楽賞」受賞式典、受賞記念コンサートで「ラヴェル:左手のためのピアノ協奏曲」を演奏する阪田さん(指揮:秋山和慶、東京フィルハーモニー交響楽団)
わたしの1曲/《ダフニスとクロエ》第2組曲

オーケストラ音楽の極致と言っても過言ではないほど、美しく、力強い作品。冒頭の『夜明け』でのオーケストレーションの妙技とその音楽には、何度聴いても驚嘆し、感激します。合唱を省いて演奏されることが多いですが、ぜひ合唱付きのオリジナル版で聴いていただきたいです!

おすすめ録音:セルジュ・チェリビダッケ指揮フランス国立放送管弦楽団・フランス国立放送合唱団(1974年10月16日、パリ・シャンゼリゼ劇場でのライヴ録音)

ラヴェル先生! 多くの傑作を世に遺してくださり、ありがとうございます! 今年は、2つのピアノ協奏曲を演奏させていただく予定です。先生が思い描いた理想の音楽を奏でられたらと思います。

阪田知樹

角野隼斗/ピアニスト

《ボレロ》を演奏する角野隼斗さん
©Ryuya Amao
わたしの1曲/《ボレロ》

驚くほどシンプルな素材から成り立っているにもかかわらず、圧倒的な色彩感と、宇宙をも感じる果てしないスケールを持つ作品です。個人的には、ピアノ・ソロでこの壮大なエネルギーを表現することに挑戦しているうちに、ラヴェルの驚異的な構築力と先見性に改めて魅了されました。