——日本に移住しようと思ったのはなぜですか。
塩田 大きな影響を受けたのは、17歳の時に参加した小澤征爾音楽塾オペラ・プロジェクトです。コーチがオーケストラのイロハを徹底的に教えてくれて。アメリカではそういう機会がなくて、すごく新鮮でした。この人たちのそばにいたいと思って、日本への片道切符を握りしめて来ました(笑)。
——実際に日本に来てみていかがでしたか。
塩田 ニューヨークではいろいろなオーケストラで演奏をしましたが、いまいち音楽への熱を感じられないし、結局はお金の話ばかり。でも、日本では同世代の演奏家やコーチたちが「ブラームスはこう弾くよね」とか「ベートーヴェンの解釈はこうだよね」と音楽について熱く議論していました。勉強不足を実感して、もっとここで学びたいと思いました。次第に日本人の友達ができて、カルチャーショックも乗り越えて日本にとけ込みました。