僕がとくにクラシックのいいところだなと思うのは、年齢を問わないところ

7  いちばんおもしろかった共演者は?

G みんなおもしろいですよ。それぞれみんな違っていて。だから、僕は本当に恵まれているなと思う。みんな個性がとても強いと思うし。

たとえば同じ作品に対しても、まったく違う感じ方、考え方、見方をしているなって思う人のことは、すごくおもしろいと思うし、そこから自分もアイデアをもらうことはたくさんあります。

ただ、共演するとなった時に、あまりにも考えが違いすぎても、ちょっと難しい。そういうのはあるけどね。いま、僕が室内楽を一緒にやっているような仲間たちは、ほんとうに一緒にやっていて楽しいと思う人たちですよ。

――加藤洋之さんとか、北村朋幹さんとか。

G 彼らもそうだし、今度ツアーをするホセ(・ガヤルド)とか。オケの仲間たちも。

8   他の音楽家から学んだことは?

G みんなから学ぶことは、本っ当にありますよ。ただ、自分なりにそこから取捨選択はするけれども。

僕がとくにクラシックのいいところだなと思うのは、年齢を問わないところですね。いろいろな世代の人たちが関わり合って、一緒に音楽をやっている。

オケなんかとくにそうで、自分が生きていなかった時代を知っている人たちの人生経験は、 何ものにも代え難い。そういう人たちの話を聞けることは本当に宝物だし、それをまた我々が次に繋いでいかなければいけない責任もある。そこがすごくいいところだなと思う。

――いろいろな人からいろいろな影響を受けて、それをご自身の中で、どのように消化していくのですか?

G 影響は絶えず受けていると思うけど、それがどういう風に自分の表現になっているのかっていうのは、なんとも言えないところがある。

例えば幼少期に習った先生のように、子どもの頃の方が影響は大きいと思うんですよね。だから、今でも音楽を考える時に、そういうものが基盤になっているところはある。音楽家に限らず、いろいろな人とか、物とか、本とか、芸術とか、何にでも影響を受けると思います。