どんな状況でも挑戦をやめない

——2016年にジョルジュ・エネスク国際コンクールでピアノ部門第2位を受賞して、プロのピアニストとしてスタートを切ろうとした矢先、コロナ禍に。その時、何を思いましたか。

石井 賞を受賞したことで活動の幅が広がり、2018年にはヨーロッパ最大級の音楽イベントであるジョルジュ・エネスク国際音楽祭に招かれました。フェスティバルではさまざまなプロモーターが見てくれていて、このままヨーロッパで活動していこうという矢先のことでした。本当にショックでしたが、YouTubeなど新たな挑戦をしていくきっかけにもなりましたし、今ではよかったなと思いますね。

——YouTubeはいつ始めようと思い立ったのですか。

石井 コロナ禍になってすぐです。最初は僕がYouTubeで発信してきちんと伝わるかどうかもわかりませんでした。でも、僕は常に挑戦していたいタイプ。フェスティバルに出ることも、さまざまなプロモーターと繋がって仕事をいただくのも挑戦です。挑戦の一環として、YouTubeを始めようと思いつきました。

——YouTubeを始めて大変だったことは。

石井 実際にYouTubeを始めてみていろいろな衝撃がありました。とくに動画編集はすごく大変な作業。でも、少しずつやりながら学ぶのも楽しかったです。時々手伝ってもらうこともありますが、基本は今も僕1人で運営しています。

——撮影に行くのも1人ですか。

石井  1人の時もあります。でも、画面が固定されていない時は誰かが撮っています。カメラマンがいない時は、お店にいるお客さんに「今から演奏するから撮ってくれない?」とお願いします。大抵の方は撮ってくださるんですよ(笑)。