同世代のピアニストは、今では仲間

——同世代のピアニストとは、どういう関係性ですか。

石井 コンクールにバリバリ出ていた時は、打ち解けるにはほど遠かったかもしれませんね。ある程度自分に自信がついてくると、自分は自分、他人は他人と思えるので、仲間という認識になりました。自分に自信がない時は、他人も認めることができないから、あまり深い仲にはなれないのだと思います。
一方で、髙木竜馬くんとは16歳ぐらいの頃から常に切磋琢磨してきた仲。どちらが勝っても負けても泣いて、という特別なパターンです。誰かと仲良くなるためには時間とフィーリングが大事。そもそもピアニストは常に孤独でほかのピアニストと会う機会が少ないから、仲間を作るのが難しいですね。

——自分に自信が持てるようになるために必要なことは。

石井 自分に自信が持てるようになるためには、当たり前ですが努力することでしょうか。恩師であるローラント・ケラー先生に言われたのは、「常に真摯でいること」。いかなる時も真摯に演奏する。準備も含めてできることはすべてやる。楽曲を勉強する時は、時代背景や歴史を調べるのは当たり前ですし、さまざまなことをリサーチすることから始めます。よい演奏をするためには、努力はいとわないのは大きなポイントですね。僕は一度思い始めたら強いんです。思い続けちゃうタイプ。YouTubeも絶対にやめないと決めてから、走り続けています。