——サックスとファゴット、どちらを続けるか迷いませんでしたか。
長 高校生になるまで、サックスは個人レッスン、ファゴットはジュニアオーケストラで続けていました。ファゴットとサックスを1日おきに練習していたような感じです。
でも、オーケストラの中で演奏する楽しさに気づいて、だんだんファゴットにのめり込んでいきました。サックスはソロやジャズのイメージが強いですが、ファゴットはクラシックの中で重要な役割を果たせるところに魅力を感じましたね。
——長さんは双子のお兄さんがいらっしゃるんですね。
長 そうなんです。兄はトランペットもやっていましたが、ラグビーも熱心にやっていました。僕はそういう感じではないし、顔も性格も違います。
——高校生の時には、音楽家になろうと思っていたのですか。
長 頭の中のどこかには、「小さい頃から親しんでいる大好きな音楽を仕事にできたら良いな」ということは常にあったと思いますが、音楽で生計を立てるのはとても大変な事というのは分かっていましたので、まったく現実的には考えていませんでした。
大学は工学部に行きたいなと漠然と考えていたぐらいです。しかし、高校1年生の終わり頃に「一度きりの人生、思い切って好きなことをしよう」と思い切って音大を受験しようと決断しました。