——今回演奏されるテノールの片野耕喜さん、フォルテピアノの小川加恵さんについて教えてください。

久保田 おふたりとも、私とは旧知であり教え子でもあります。彼らの演奏も何度も聴いています。

対話型演奏会を銘打ってはいますが、私と聴衆の方との会話はかなり限られています。そこで、演奏の合間に、私と演奏者が演奏する曲や楽器など、いろんな対話をします。これまで2回演奏会をしましたが、なかなか好評だったようです。

片野耕喜 (テノール)
小川加恵(フォルテピアノ)

——小川さんは貴重なフォルテピアノを演奏されるので、片野さんと小川さんと楽器が土浦亀城邸でどのように響くのか、楽しみです。シューベルトとフォルテピアノの時代・土浦亀城邸の時代をめぐる、時空を超えた体験となりそうですね。楽器の魅力についてもお聞かせください。

久保田 シューベルトは生前、同時代に同じ場所に住んでいたベートーヴェンとは異なり、大きな公的な会場で自作品を演奏したことがありません。「シューベルティアーデ」と呼ばれたサロンで演奏していました。フォルテピアノはそのような空間にぴったりの楽器です。シューベルトの音楽を理解するためには、当時響いた音や空間を経験することが欠くことはできないでしょう。