亀井聖矢さん

ストラヴィンスキー:《ペトルーシュカ》からの3楽章
もともとオーケストラで演奏される曲をピアノ版に編曲した曲ですが、ルービンシュタインが「過去のどの曲よりも難しい曲を」と依頼しただけあって、本当に難曲中の難曲だと思います。僕は去年のリサイタルツアーでこの曲を演奏したのですが、とにかくテクニック面で非人道的だと思いました(笑)。正直ピアノで演奏するべき曲ではないですね(笑)。

ラヴェル:《夜のガスパール》
とくに第3曲の「スカルボ」は、技術面でバラキレフの《イスラメイ》さえも凌ぐ難曲と言われていますが、3曲すべて技術的に集中力の必要な曲です。左右の手が重なる部分が多く出てくるのですが、ただでさえ両手が重なって弾きづらいのに、片手ずつでも難しいようなテクニックを要求されるので本当に厄介ですね。

ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第3番
ピアノのソロの部分で言うと、聞こえないような細かい内声や移り変わりが多く技術的に神経を使う場面が多い曲です。大量に難しい音がある中で、オケと息を合わせて最適なバランスを探さなければいけないというのもこの曲の難しいところであり、醍醐味でもあると思います。

河村尚子さん

ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第3番
曲が長い、さまざまな技巧が問われてくる、ピアニストとして手が大きかったラフマニノフの曲だからこそ、小さな手の持ち主の私には無理がある箇所もいくつかありました。

バルトーク:ヴァイオリン・ソナタ第1番
不協和音が多く、耳が音に慣れるまで時間がかかりました。

ショパン:練習曲op.25, No.6
綺麗な3度を演奏しようと思っても、指が絡まってまったく綺麗に響きませんでした。

阪田知樹さん

M.A.バラキレフ:イスラメイ
重音での速いパッセージや跳躍など、難易度の高い技術が詰め込まれた王道の難曲。

L.ゴドフスキー:J.シュトラウスの「芸術家の生涯」による交響的変容
オクターブや重音によるさまざまな難しいパッセージに加えて、いくつかの旋律を同時に演奏しながら弾き分けることも求められる別次元の超難曲です。

F.リスト:パガニーニによる超絶技巧練習曲 S.140/R.3a 第4番(第2版)
有名な「パガニーニによる大練習曲」の前身となる曲集。演奏不可能とも言えるこの曲集中、とくに難易度が高いのがこの第4番の第2版。連なる和音を軽やかに演奏するのは至難の業。