金川 超絶技巧は英語で‟virtuosity”と訳しますが、これは「指がどれだけ速く動くか」ではなく、材料をどれだけ自由に扱えるかだと思います。その中にはもちろん、指の動きが難しいものも入っていますし、簡単なメロディを微妙な音色、ルバート、発音の変化でどれだけ自然に形作れるかも入っています。なので、想像も実現ももっと自由にするのがすべての練習の目標です!
周防 技巧的なところにフォーカスしがちですが、いかに楽に弾いているように聞こえるか、そして難しいパッセージでも音楽的に弾けているかというところだと思います。
成田 作曲家が技巧を見せるために書いているのかそうでないのかに敏感であること。またその技巧性がどのように外側に出るべきか検討してコントロールしています。
服部 超絶技巧のときも、技巧的には無理のない曲のときも、取り組み方は変わりません。いちばん大事なのは、頑張って弾くことではなく音楽にすること。肉体的にきつい箇所は、クリアするのではなく、音楽的にするために練習してものにするという意識です。