その後の講座もまた、憲法前文を誦じたり、時事問題や社会問題について自ら情報を集め自らの意見を述べなければならなかったり、グラフを見ただけで所見を言わなければならなかったり、高く高くそびえたつハードルに私はすっかり意気消沈してしまいました。きっと私には二度と縁がない場所だと思いました。

しかし一方で良かったことは、私とほぼ同世代の方々のアナウンサーになりたい、キャスターになりたいという真剣な志とその眼差し、一挙手一投足、エネルギーを目の当たりにできたことです。私も自らが専門として志す分野に、真剣に向き合っていかなければという考えをあらたにしました。そのときご一緒したなかには入局され、TVの画面のなかで原稿を読まれているかたもいます。

さて第2弾はテニスです! よく行くホールの近くに立派なテニスコートがあり、なにを血迷ったのかそこに通ってみることにしたのです。最初に感じたのは、テニスボールが想像以上に小さくて速いということでした。もはやあの黄色い球が相手のラケットから離れた瞬間に、私の動体視力では追うことができなくなりました。そして想像以上に走らなくてはならないことも……。プレーの合間にボール拾いをしながら「なぜ自分はこんなことをしているのだろう」と自問自答してはボールをひよこに見立てて逃避して遊んでばかりいましたが、まあたぶんいくらか体力はついたものと思われます。