赤毛は情熱の証?

ヴィヴァルディのお父さんのジョヴァンニ・ヴァッティスタ・ロッシ・ヴィヴァルディは理髪外科医でしたが、やはり音楽が大好き。ヴァイオリンが得意で聖マルコ寺院や貴族などの邸宅で演奏し、ヴァイオリンの先生もするほどでした。

アントニオはそんなお父さんのもとに9人兄弟の長男として生まれました。当時のエピソードでしばしば紹介されるのが、一家の多くが赤毛だったこと(多くがお父さんのミドルネームに「赤」を意味する「ロッシ」がついているのも象徴的ですね)。

昔のヨーロッパでは赤毛の人は情熱的な性格の持ち主とされ、小説などでもしばしば赤毛の人たちは自由奔放で悪戯好きと書かれています。実際、ヴィヴァルディ家の次男フランチェスコは貴族に無作法なことをした廉(かど)でヴェネツィアを追放され、三男イセッポは食料品屋の少年と短剣でふざけていて軽傷を負わせて逃亡するなど、ずいぶん人騒がせな一家だったようです(もちろん赤毛の方がみなさんそういうわけではありません。念のため)。