他にも、『VIVANT』にはワーグナーの《ワルキューレの騎行》も登場。リズミカルさがあるオリジナルよりも重厚さを増して、ヘビーな作品と演出に合った形で編曲されている。ラフマニノフの前奏曲《鐘》は本来はピアノ作品だが、弦楽器が目立つ形でオーケストレーションされていて、キャラクターたちの悲痛な状況をいっそう際立たせていた。
いずれのクラシックの作品も、オリジナルをそのまま使用するだけでなく、ドラマの内容に合った形でアレンジされている。まるで書き下ろされたサウンドトラックかのようにピッタリと合っていて、まさかクラシックだと気づかない視聴者もいたのではないかと想像する。100年以上の時を経て、現代の物語を引き立てたクラシックの魅力を堪能しつつ、『VIVANT』のラストも楽しみたい。
放送:毎週日曜21:00~21:54
製作著作:TBS
原作・演出:福澤克雄
プロデュース:飯田和孝、大形美佑葵、橋爪佳織
演出:宮崎陽平、加藤亜季子
脚本:八津弘幸、李正美、宮本勇人、山本奈奈
音楽:千住明
出演:堺雅人、阿部寛、二階堂ふみ、松坂桃李、役所広司、二宮和也 ほか