《アルマ》(エラ・ミルヒ=シェリフ作曲)は、この10月26日に世界初演を終えたばかりの新作オペラ。作曲家マーラーの妻で、画家のオスカー・ココシュカと交際し、バウハウスの創設者ヴァルター・グロピウスや詩人フランツ・ヴェルフェルと再婚した女性アルマを主人公とした作品である。
《世界を忘れよう-フォルクスオーパー1938》は、ウィーン・フォルクスオーパーの創立125周年を記念して2023年12月14に世界初演がおこなわれた作品。もともとは1938年に初演が予定されていたがナチスのオーストリア併合のために上演中止となったオペレッタを復元したものが元となっている(編曲と指揮はケレン・カガルリツキー)。2025年4月からは再演も予定されている。
どちらの新作も、ウィーン・フォルクスオーパー(現在の芸術監督は演出家ロッテ・デ・ベーア)の革新的な傾向を示していると同時に、映像をご覧いただければお分かりになるように、とても親しみやすい音楽で、エンターテインメントとして楽しませることも忘れてはいない。
年間プログラムのラインナップを見ると、オペラやバレエからミュージカルまで多彩で、中にはシリアスなものもあるが、やはりその中心にはオペレッタがある。
この「娯楽性」を大切にするところが、ウィーン・フォルクスオーパーらしさだろう。