なかでも熱気がもっとも高まるのは、コンクール会場であるポーランド国立ワルシャワ・フィルハーモニーです。1901年創立のこの場所は、ショパンコンクールとともに歴史を刻んできました。
第1ステージから客席はほぼ満席。ファイナルへと進むにつれて、お気に入りのコンテスタントがステージに登場すると、演奏が始まる前から盛大な拍手が送られるようになります。
第3ステージまでは、コンテスタントが奏でるピアノの音色がさまざまな表情を見せ、ファイナルではオーケストラの壮麗で多彩な音色が、コンテスタントの演奏に寄り添います。聴衆は音の移ろいに息を合わせるように、うなずいたり、静かに目を閉じたりして聴き入り、会場全体がひとつの呼吸でショパンの音楽を見守っていました。コンクールは単なる競い合いではなく、ショパンを通してポーランドの精神と美意識を共有する祝祭のような雰囲気。客席の一角では、合間にショパンの自筆譜をタブレットで確認する若者の姿も。もしかすると、未来のコンテスタントかもしれません。世代を超えて受け継がれるショパンの音楽は、人々をこうも夢中にさせるのです。

