ワルシャワのベテランファンが伝授する、コンクールを愉しむ時間

老若男女が心待ちにする特別なひととき

ショパンコンクールは今や、ライブ配信によって世界中の音楽ファンがリアルタイムで視聴し、動向をチェックする時代となりましたが、現場で見守る地元の音楽愛好家にとって、ショパンコンクールとはどのような存在なのかを、実際に地元で毎回コンクールを鑑賞されている熱心なファンの方に伺ってみました。

子どもの頃からかれこれもう60年にわたって通い続けているというご高齢の方、仕事が終わり次第会場にかけつけてなんとか当日券を求め、できるだけ聴くようにしているという働き盛りの若い方など、その層はさまざま。

何大会にも渡りショパンコンクールに足繁く通うポーランド人エンジニアの男性は、「ポーランド人コンテスタントを応援する!」とずっと意気込んでいたにもかかわらず、今回はなんと「シオリはすごい!」と桑原志織さんのファンになったと話してくれました。音楽の力が国境を超えて共感を生む、その瞬間が垣間見られました。

会場で見かけたこちらの素敵なマダムにも、お話を聞いてみました。

「日本は大好きなのよ!」と快く取材に応じてくださった

「ショパンコンクールはなにしろ5年に一度しかない特別なイベントですから、私たちはこのときをいつも心待ちにしているんです。毎日ホールに通う愛好家には、メモをとったり、オペラグラスで舞台を見たりしている方もいるけれど、私の場合はそのどちらもせず、じっくりとその場に流れる音楽に耳を傾け、心の中にしっかりと記憶することに集中します」

会場で流れる一刻一刻を大切に味わうその姿勢から、ショパンコンクールがいかに特別で、精神的な重みを持つ存在であるかが伝わってきます。