鑑賞の前後に語らい合う場

コンクール期間中のワルシャワでは、ホールの外でも音楽談義が尽きません。演奏の余韻を語り合うのにふさわしい上質なレストランやカフェが、会場周辺には数多く点在しています。

その中でも、長年のファンに愛されているのが、ワルシャワ国立劇場内にあるレストラン「Restauracja U Wieniawy」。格式ある落ち着いた雰囲気の中で、伝統的なポーランド料理を堪能できます。「何を食べても美味しいし、ゆったりとした時間を過ごすことができるわよ」と、さきほどのマダムが微笑みながら教えてくれました。ワルシャワ・フィルハーモニーからも徒歩15分ほどと、コンサートの前後に立ち寄るのにも便利です。

地元の方にもう一軒おすすめいただいたのが、同じくフィルハーモニーから徒歩圏内にある「Restauracja Wódka Gessler Na Widelcu」。ポーランドの伝統料理をモダンなスタイルで再構築し、上質な素材と洗練された技が光る一皿が並びます。

メニューには、伝統的な味を守りながら、質の高い素材と洗練された技が光る一皿が並びます。店名に「Wódka(ウォッカ)」とある通り、自家製ウォッカやポーランドらしいドリンクも充実。料理とともにポーランドらしさを味わえる空間です。

このほか、クラフトビールを楽しめる「The Taps」や、おしゃれなワインバー「Niewinność」、そして、お腹をしっかりと満たしたい方におすすめの「Reina Steakhouse」なども人気だそうです。「Reina Steakhouse」では、コンクール期間中にコンテスタントや審査員がここを訪れ、お肉を食べて英気を養うことも。ステージの熱気が冷めやらぬ夜、第一線で活躍するピアニストたちと同じ空間で味わう一皿は、音楽の余韻をより豊かにしてくれるでしょう。

Reina Steak Houseの外観
店内から見えるワルシャワ・フィルハーモニー

ワルシャワの人々にとって、ショパン・コンクールは単なる音楽イベントではなく、街全体がひとつの舞台となる文化の祝祭。会場で生演奏を堪能するのはもちろん、足を運べない日にはテレビやラジオ、オンライン配信を通じてその熱気を追いかけます。開催期間中は、どこにいても自然とコンクールの話題が交わされ、友人同士で感想を語り合う姿も見受けられるのです。

また、上質なレストランで食事を楽しみながら、お気に入りの演奏やコンテスタントについて語り合うのも、この時期ならではの楽しみ方のひとつ。ショパンの音楽が生活の中に溶け込み、誰もが心待ちにするこのコンクールは、ポーランドの人々にとって特別な誇りと喜びの象徴となっています。