——歌手の皆さんは、それぞれソロとデュエットを披露されます。中村さんと中川さんは、《ウエストサイド物語》から〈トゥナイト〉で共演されますね。
中村 私は兵庫県出身なので、ミュージカルといえば宝塚歌劇を観てきました。ただ私自身がミュージカルを歌うのは、実は初めて。オペラ歌手はマイクを使わずにホール全体を鳴らすように演奏しますので、マイクを使って表現される中川さんとの共演がどんなステージになるのかなと、今からドキドキです。
中川 たしかに、僕は普段ミュージカルやコンサートで、マイクをまったく使わないで歌うということはほとんどありませんね。中村さんと僕とで、この一曲をどう表現できるのか、楽しみですね。みなさん、とてつもなく素晴らしいので、いったいどうなっちゃうんだろう?!と、僕もドキドキします。
藤木 僕もマイクは使いませんが、使うサラ・オレインさんと《ホフマン物語》の重唱〈美しい夜、恋の夜〉を歌います。それぞれに表現方法は違っても、一人ひとりの持ち味やホールの響きを生かし、全体がまとまりよくお届けできるように、音響チームも総力をあげて臨みます。
オッフェンバック《ホフマン物語》より〈美しい夜、恋の夜〉
——その意味では、画期的なコラボレーションですね!
藤木 今回は、オーケストラの魅力を楽しんでいただくためにワーグナーの《ニュルンベルクのマイスタージンガー》序曲なども演奏するので、楽器編成も大きいです。歌とオケ、双方が引き立つようなステージ作りをしていきますよ。お客様の耳と心が馴染みやすいように、実は曲順にも工夫を凝らしているんです。
ワーグナー「《ニュルンベルクのマイスタージンガー》序曲」