中村恵理（なかむら・えり｜ソプラノ）：2008年英国ロイヤル・オペラにデビュー。2010年から6年間にわたりバイエルン国立歌劇場の専属歌手として数々のオペラで主要キャストを務める。その他、ウィーン国立歌劇場、ザルツブルク州立歌劇場など客演多数。最近では、2021年新国立劇場《蝶々夫人》題名役、2022年新国立劇場《椿姫》ヴィオレッタ役、さらには英国ロイヤル・オペラ《蝶々夫人》題名役で出演。圧巻の舞台が大きな話題となった。大阪音楽大学客員教授、東京音楽大学非常勤講師。
——ソロでは、中村さんは昨年英国ロイヤル・オペラで主役を歌われた《蝶々夫人》から〈ある晴れた日に〉も聴かせてくださいます。
中村 オペラからアリアだけを切り出して歌うのは、私にとってはむしろ集中力が必要ですが、《蝶々夫人》の物語全体をイメージしていただけるように歌いたいです。海の見えるみなとみらいホールから、長崎を舞台とした《蝶々夫人》の物語へとリンクするように……。また、オペレッタを得意とされる阪さんの指揮で《こうもり》の〈チャールダーシュ（ふるさとの調べ）〉も歌わせていただきます。
プッチーニ《蝶々夫人》より〈ある晴れた日に〉／J.シュトラウス2世《こうもり》より〈チャールダーシュ（ふるさとの調べ）〉
——中川さんは代表作とも言える《モーツァルト！》から〈僕こそ音楽〉も歌われます。長年歌い続けられているナンバーですね。
中川 今は多くの歌手が歌う曲になりました。あの曲と出会えたこと、そして今も歌えることは奇跡のようです。バンド編成やピアノ一台などの編成によって、歌の表現も変わりま
藤木 この人ならぜったいにこの歌を聴きたい、というお客様の気持ちで選曲させてもらいました。サラさんはヴァイオリンも演奏してくれます。
——藤木さんは、マーラーの《原光》のほかに、加藤昌則さん作曲の《もしも歌がなかったら》を歌ってくれますね。
藤木 僕の最近の定番曲で、もとは合唱曲。「歌がなければあなたと出会うことはなかった」という、まさに「うたまつり」にピッタリの曲ですね。そうそう、せっかくの「まつり」ですから、合唱も加わるんです。神奈川県の３つの音大（フェリス、洗足、昭和）の学生たち20名も参加しますよ。
マーラー「交響曲第2番《復活》」より第4楽章《原光》／加藤昌則《もしも歌がなかったら》
中川 オペラもオペレッタもミュージカルも、人が「歌う」ステージという意味で水脈は一緒。そのことを感じられる演奏会になりそうですね。
中村 それぞれ妥協できない点はあるはずなので、それがうまく掛け合わされるといいですね！ お客様には本当に楽しんでいただきたいです。
藤木 みなさんが鼻歌を歌いながら帰りたくなるような、楽しいコンサートにしましょう！