オーケストラに入団できたのは、運との巡り合わせも

——ホルンを一生続けていこうと思ったのはいつでしたか。

鈴木 中学2年生のときには、ある程度の難しい曲を吹けるようになって、自然と高校でもホルンを続けたいなと思うようになりました。高校ではオーケストラも聴くようになり、音大に行きたいなと思うようになって、という連続で今に至っています。

——その後、推薦で健大高崎に入学して東京藝術大学に進学、オーケストラに入団するという狭き門も突破されたわけですよね。

鈴木 運との巡り合わせもすごく味方してくれたなとは思いますが、大変なこともありました。実は、オーケストラのオーディションはいくつも落ちたので。オケのオーディションに受かるのはどういう人なのだろうとかという苦悩は続いていました。

——オーディションのどんなことが大変でしたか。

鈴木 オーディション自体も難しいのですが、オケのホルンパートに枠が空くこと自体がすごく貴重なこと。定年退職される方などがいないと枠が空かないわけです。チャンスは毎年あるわけではありません。たまたま私が大学を卒業した頃は世代交代のタイミングで、コンスタントにオーディションがあり、チャレンジできる回数も多くありました。