アンコールで再び羽生が登場し、観客に感謝の言葉を述べた。
「世界中で配信をご覧になられている方、実際にこの会場で空気を感じながら観られている方、TELASAでご覧になられている方、ライビュ(ライブビューイング)の方もいらっしゃると思います。いろいろな方々がこの公演を楽しみにしてくださって、その期待やプレッシャーとか重責とか、僕はもちろんですけど、スタッフのメンバーみんなでいろんなことを感じながら、本当に、本当に……時間もエネルギーもたくさん使って、このエコーズ・オブ・ライフというものを創りあげてきました。この公演がみなさんの中で、この物語がみなさんの中で、ちょっとでも生きる糧になったらいいなって思っています」
最初から最後まで持ち前の集中力をいかして、観客を「Echoes of Life」の世界へどっぷりと引き込んだ羽生だが、実は緊張していたという。
「本当に緊張しました(笑)。胃の中が、裏と表が反対になりそうなぐらいに、ぐわんってなるぐらい本当に緊張して緊張してたまらなかったです」とユーモラスなコメントで笑いを誘った。続けて、制作過程の苦労も明かした。
「ストーリーブックの状態を演出チーム、映像チームに渡したときに『いいじゃん』と。でも、そこから『これ、どうやってアイスストーリーにする?』ってなって。どうしようって悩みながらも、この映像を作ってくださった監督とともに、一生懸命、こうしよう、ああしようと作り上げてきました。本当に不安だらけでどうなっていくんだろうって……。何もわからない!どうしたらいいんだ!みたいな感じの中で作り上げていったんですけど、こうしてみなさんの前で映像、演出、そして僕のスケートも含め、こうやって一緒にまとまった瞬間に、本当にいいものができたなってみなさんの拍手でそういうふうに思えたので、みんなで頑張ってきてよかったです」
この日、誕生日を迎えた羽生は、観客から《ハッピーバースデートゥーユー》の大合唱とたくさんのバナーによって祝福を受けた。
「こんなに……何万人見てくださっているんですかね?たぶん、ライビュの方々も歌ってくださったんですよね?テレビの前の方も歌ってくださったんですよね?って、実際にはわからないけど(笑)。これだけの方の中でお祝いされる人はなかなかいないと思うので本当に嬉しいです。ありがとうございました」