読みもの
2025.10.19
編集部やってみた「ショパコンサイドストーリー」

ショパンコンクールとのコラボ「ショパングルメ」を食べてみた

三木鞠花
三木鞠花 編集者・ライター

フランス文学科卒業後、大学院で19世紀フランスにおける音楽と文学の相関関係に着目して研究を進める。専門はベルリオーズ。幼い頃から楽器演奏(ヴァイオリン、ピアノ、パイプ...

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第19回ショパン国際ピアノコンクールとのコラボで、ショパンにちなんだメニューを提供しているレストランがあるということで、実食してきました。コラボしているレストランはいくつかありますが、今回は取材の合間にフィルハーモニーから一番近い「RUMORY BISTRO」というお店に。入り口に置かれたメニューに「ショパン」と書いたものがなく、焦って店員さんに聞いてみたら、あるよ! とのこと。もっと前面に出してもいいのに……(笑)。

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着席してメニューを見たら、ありました! ポーランド語のメニューしかないようなので、文明の力を頼って内容を見てみると……

「ショパンメニュー」

ショパンコンクールを記念して、ショパン自身が好んだ味にインスピレーションを得たメニューをご用意しました。

ヴォイチェフ・ボンコフスキ著『ショパングルメ』という本に手を伸ばし、私たちは、作曲家に近い香りと料理を再現しました。彼の音楽のように繊細で優雅、そして感情にあふれた香りと料理です。ワルシャワ、パリ、ノアンをめぐる、ショパンの足跡を辿る料理の旅です。

『ショパングルメ』は私が初めてショパンミュージアムで購入した本でした。先日のインスタライブでちらっとお話ししましたが、ショパンの1日の食事メニューが載っていたり、とても面白いです。薄くて読みやすいし。

ヴォイチェフ・ボンコフスキ『ショパングルメ』
著者はショパンの研究者でありながら、ソムリエの資格ももっているそう

ショパンメニューにはお食事とケーキ、それからヴォイチェフ・ボンコフスキ氏セレクトの赤ワインがあります。

食事メニューは「農場産鴨肉のピエロギ〜マッシュルームとエシャロット、赤ワインのスパイシーソース添え〜」。ピエロギはポーランド料理を代表する餃子のようなお料理なので、ショパンの故郷であるポーランドがベースに据えられていることがわかります。マッシュルームやエシャロット、赤ワインといったフランスを連想する食材が使われているので、たしかにワルシャワからパリのショパンの足跡が感じられます。

それからケーキは「ポピーシード入りレモンケーキ〜バイオレットホワイトチョコレートクリーム〜」とあります。食いしん坊なので両方いただいてみようと思ったのですが、残念ながらケーキは売り切れで、ピエロギを注文しました!

大きめのピエロギが3つ!

いただきます! まずピエロギの中身の鴨肉の美味しさに驚きます。そして、ほんのり甘みとスパイスが香る赤ワインソースがよく合います。スパイスには八角も入っていそう。『ショパングルメ』によると、ショパンが移った頃のワルシャワでは、食文化でもフランスからの影響が大きく、スパイスによって洗練された料理に仕上がるとされていたそうです。

さらに驚いたのは、プラムのような果物が乗っていること。酢豚のパイナップルは許せない派なので最初は警戒しましたが、赤ワインソースとピエロギの塩気とバランスがよくて、とても美味しい!

すごく複雑なお味で、「彼の音楽のように繊細で優雅、そして感情にあふれた香りと料理」という説明に納得でした。ショパンの音楽を聴くのはもちろんですが、こうして味わうことはなかなかできないので、とても楽しませていただきました。

天井が高く開放感のある店内。カフェのような雰囲気で気軽に楽しめます
三木鞠花
三木鞠花 編集者・ライター

フランス文学科卒業後、大学院で19世紀フランスにおける音楽と文学の相関関係に着目して研究を進める。専門はベルリオーズ。幼い頃から楽器演奏(ヴァイオリン、ピアノ、パイプ...

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