読みもの
2025.10.16
編集部やってみた「ショパコンサイドストーリー」

ショパンコンクールとのコラボ「ショパンデザート」を食べてみた

三木鞠花
三木鞠花 編集者・ライター

フランス文学科卒業後、大学院で19世紀フランスにおける音楽と文学の相関関係に着目して研究を進める。専門はベルリオーズ。幼い頃から楽器演奏(ヴァイオリン、ピアノ、パイプ...

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開催中の第19回ショパン国際ピアノコンクールに合わせて、ワルシャワ市内にある14のレストランがコラボして「ショパンデザート」が提供されています。そのうちのひとつ、カフェ・ブリストルに行ってきました! ホテルブリストルの1階にある素敵カフェです。

コラボスイーツの名前は「チェリー・ノクターン」。ショパンが過ごした場所からインスパイアされているそうです。ブルーのチョコレートと赤いお花が印象的です!

デザートの土台には、ショパンの「フランス時代」にちなんだフランス風のクランブルが使われています。ブルーのチョコレートの中身は、チョコレートムース!

中央には、カンピノス産の蜂蜜酒を使ったチェリークリームが隠れているそうです。カンピノスはワルシャワの西に位置し、「ワルシャワの緑の肺」と呼ばれたカンピノス原生林の自然・歴史・文化上の価値を保護する国立公園で知られています。ポーランドのこだわり素材が使われていて、どんなお味なのかわくわく。

中はこんな感じです!
パティシエさんの説明では、ケーキの真ん中“ハート”の部分にポーランド産の食材を使用したとのこと。ハートという言葉に胸がじんわり

ブルーのチョコレートの上にあしらわれているのは、ポーランドを象徴する花、ケシ(ポーランド語で mak)。この花には、ショパンの母国へのオマージュが込められています。

ポーランドでは誰もが知っている歌、「Czerwone Maki na Monte Cassino(モンテ・カッシーノの赤いケシ)」 があるほど、ケシの花は特別な意味を持っています。この歌は、1944年のモンテ・カッシーノの戦いで命を落とした兵士たちをたたえるもので、こんな一節が印象的です。

モンテ・カッシーノの丘に赤いケシが咲いた、

それはポーランド兵士たちの流した血で染まったのだ。

自由のために戦った人々への追悼と、再生への祈り……ケシの花は、ポーランドの歴史と心を今も静かに語り続けています。

さて、スイーツの説明にしては若干シリアスな雰囲気になってきましたが、気を取り直していただいてみましょう!

お皿もかわいいです!

チョコレートムースやチェリークリームは、とても穏やかでまろやかなお味! 見た目のインパクトとは裏腹に、むしろチョコレート、チェリー、蜂蜜酒が、それぞれ主張しすぎずに溶け合って香ってきて、とても繊細な印象です。ノクターンを脳内で再生しながらいただくと、癒されます。

ちなみに、ラテアートでショパンを描いてくれるというので、そちらも頼んでみました。どうでしょう、ショパンのお顔、見えますか?

うーん、思ったよりぼんやりとしていますが、はっきり見えすぎないほうが余白があって味があるということで……(笑)。

ちなみに、ケシの花は食べられませんでした。チョコレート細工だと思って噛みつきそうになりました。

コンクールという機会に、こうしてさまざまな形で多くの人がショパンに思いを寄せ、ショパンを楽しんでいる……そんな素敵なティータイムでした。

飲み進めていくと、ショパンが、さらに……(笑)
三木鞠花
三木鞠花 編集者・ライター

フランス文学科卒業後、大学院で19世紀フランスにおける音楽と文学の相関関係に着目して研究を進める。専門はベルリオーズ。幼い頃から楽器演奏(ヴァイオリン、ピアノ、パイプ...

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