ローマ賞とは?19世紀フランスで絶大な権威を誇った作曲家の登竜門の歴史と審査方法
2018.08.10
日めくりオントモ語録/マルグリット・ロン
ルクサンブール公園での子どもたちのロンド! 太陽! このさらさら音をたてているおとぎの国に対して、ドビュッシーの臨んだのは、これなのです。
(ドビュッシー作曲《版画》~『雨の庭』について)
―― マルグリット・ロン著 室淳介訳『ドビュッシーとピアノ曲』(音楽之友社刊)より
ドビュッシー本人から演奏のアドヴァイスをもらったフランスの名ピアニスト、マルグリット・ロン。『雨の庭』のタイトルだけだと《灰一色の単彩》を想像してしまう曲だが、ドビュッシーは雨があがった後の太陽を想定して作曲したのだと語りました。言葉はこう続きます。
《雨の後には天気がくる》ならば、その天気を考えるべきなのです。
ドビュッシー:《版画》~第3曲『雨の庭』
マルグリット・ロン(ピアノ)
マルグリット・ロン (Marguerite LONG 1874-1966)
フランスのピアノ奏者。元・パリ音楽院教授。ニーム生まれ。
ニーム音楽院で学んだ後、パリ音楽院でシェーネーらに師事し、17歳でプリミエ・プリを獲得。卒業後もマルモンテルに師事し研鑽を積む。1906年からパリ音楽院で教え、1920〜40年同学院ピアノ科教授。1943年ヴァイオリンのジャック・ティボーとロン=ティボー国際コンクールを創設し、後進の育成と発掘・紹介に尽力。フランス最高の女流ピアノ奏者で、とくにフォーレ、ドビュッシー、ラヴェルに卓越し、古典的優雅さとともに、洗練された近代感覚をそなえたフランス趣味豊かな演奏をきかせた。著書「ドビュッシーとピアノ曲」(’60年)。
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