山根一仁、いまもなお深化し続けるバッハへの熱い想いの現在地
2018.09.28
日めくりオントモ語録/矢崎彦太郎
色とは音色のことだけど、では、香りとはなにかというと、音と音のあいだのニュアンス。
―― 矢崎彦太郎「音楽の友」2018年10月号より
フランス音楽における「エスプリ」について質問を受けた矢崎さん。フランス語の発音を例に挙げた上で、「音楽も一緒で、木管、例えばフルートの音の立ち上がりはスピードが速くて、そのあと、次の音にいかにやわらかくつなぐか、そこに香りがあるのです。小節線なんかも、流れるようにまたいでつないでいく。そこで区切って、『間』をとったらフランス音楽になりません。それが香りにつながる。そういう色と香りの大切さが『エスプリ』なんじゃないかな」と語った。
矢崎彦太郎(Hikotaro YAZAKI)
東京出身。4歳よりピアノを始め、上智大学から東京藝術大学指揮科に再入学。金子登、渡邊暁雄、山田一雄各氏に指揮法を学んだ。日フィル指揮研究員として小澤征爾の助手を務めた後、ヨーロッパでスワロフスキー、チェリビダッケなどに師事。ブザンソン国際指揮者コンクール入賞後、パリを拠点に本格的に指揮活動を開始。東響指揮者、旧西ドイツホフ響音楽監督・首席指揮者、東京シティ・フィル首席客演指揮者、バンコク響音楽監督・首席指揮者などを歴任。2015年からバンコク・プロムジカ・オーケストラ客演指揮者を務める。2000年フランス政府から芸術文化勲章シュヴァリエ、2008年には同オフィシエ勲章を受勲。
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