歌って、聴いて、踊って「体感」できる! 東京都と東京都交響楽団が主催するサラダ音楽祭
名称もキャッチーな「サラダ音楽祭」は、東京都交響楽団が歌やダンスとコラボしながら、音楽監督・大野和士とともに多くの人にクオリティの高い音楽を届けようと企画された。ポップで楽しげなビジュアルイメージを裏切らない、色とりどりのメインプログラム3日間と別日程の2つのスペシャルコンサートをご案内!
1974年生まれ。東京藝術大学音楽学部楽理科卒業、同大学院修士課程修了。Maqcuqrie University(シドニー)通訳翻訳修士課程修了。2008年よりクラシ...
2020年に向けて東京から広く文化発信!
歌って、聴いて、踊ってワクワク! 音を出し、音に包まれ、全身で楽しむドキドキの体験。そんな音楽祭が2018年よりスタートした。東京都交響楽団がリードする「TOKYO MET SaLaD MUSIC FESTIVAL」、通称「サラダ音楽祭」だ。
「東京都交響楽団(以下都響)は、1964年の東京オリンピックの記念文化事業として創設されたオーケストラです。では、その都響が2020年の東京オリンピック・パラリンピック競技大会に向けて、何を発信できるのか。そこで、もっと広く都民の皆さんや、クラシックに馴染みの薄い方たちにも楽しんでいただけるものを作りたいと考え、プロジェクトチームが事務局内に発足されました。それが、昨年2018年にスタートしたサラダ音楽祭です。
メイン会場は池袋の東京芸術劇場。昨年の1日だけのプレ開催に続き、今年はいよいよ本格開催。期間をメインプログラムの3日間+2つのスペシャル公演へと拡大し、本格的なクラシックから、ゲームやアニメの音楽、最新テクノロジーとのコラボに至るまで、さまざまな内容を企画しています」(公益財団法人東京都交響楽団経営企画部企画チーム 竹末健太郎さん)
「サラダ音楽祭」とは、フレッシュでインパクトのある名称だ。
「オーケストラが主体となった音楽祭は実は珍しいのですが、単にオーケストラの演奏を聴いていただくだけでなく、たくさんの人に参加してもらうために、『歌って、聴いて、踊って=Sing and Listen and Dance』を核にしようと考えました。頭文字をつなげてSaLaD。通称サラダ音楽祭としたのには、そんな思いが込められています」(竹末さん)
子どもも大人も対象! オリジナルなワークショップ
コンサートだけでなく、参加型のワークショップにもかなり力を入れている。今年の新企画の一つが、最先端技術AIを駆使するヤマハとのコラボレーション「バーチャルオーケストラを指揮しよう!」だ。
「ステージ上の巨大スクリーンに都響が映し出されます。体験いただくお客様は指揮棒をもって舞台に立ち、指揮に合わせ、巨大なスクリーン上の都響が演奏します。腕に付けたセンサーがテンポや距離などを感知するので、振り方次第で都響の演奏、楽員の表情まで変化する仕組みです。リアルな指揮体験をお楽しみいただけると思います。曲はクラシックのほか、ドラゴンクエストの序曲も選べます」(竹末さん)
「Sing and Listen and Dance(歌う! 聴く! 踊る!)」をテーマに子どもから大人まで参加・体験できるワークショップは、昨年はおもに子ども向けの内容だったが、今年は大人向けにも拡大し、新たなワークショップが追加される。
「新国立劇場合唱団のメンバーによる歌、ダンサーの近藤良平さんによるダンス、東京シティ・バレエ団による初心者のためのバレエレッスン、作曲家の藤倉大さんによる作曲教室、そして都響音楽監督の大野和士による指揮のワークショップなどを開催します。各分野の一線で活躍するアーティストから本物の体験を学べます。これらの参加はすべて無料です」(竹末さん)
2018年のワークショップの様子
SaLaDらしい、歌とダンスに満ちた2つのコンサート
音楽祭では、もちろん大野和士×都響の充実した演奏を味わいたい。赤ちゃんから大人まで、クラシックの初心者から通の人までが楽しめるコンサートが用意されている。
そのひとつ、「OK! オーケストラ~赤ちゃんOK! 歌ってOK! 踊ってOK!」は、0歳の赤ちゃんも参加できるコンサートだ(9月14日)。
「通常のクラシックのコンサートでは、OKではなくNOが多いですよね。声を出すのも、動くのもNO。でも『OK! オーケストラ』ではクラシックはもちろん、ディズニーやジブリのアニメ映画の音楽、ドラゴンクエストの音楽に合わせ、子どもたちが元気に歌って踊ってOK。今年は女性8名によるダンスとのコラボもあります」(竹末さん)
「メイン・コンサート」では、演奏される機会のあまりないベルリオーズの劇的交響曲《ロメオとジュリエット》を取り上げる(9月15日)。
「大野音楽監督が『Sing and Listen and Danceのサラダ音楽祭にぴったり!』と選曲しました。オーケストラが物語の場面を音楽で描写し、独唱・合唱による歌、バレエも入るので、バレエを習っているお子さんたちにも来てほしいですね」(竹末さん)
ベイビーオペラやオルガン、ドラクエも、野外も!
さらに、東京芸術劇場が企画制作を担うスイスのバーゼル歌劇場によるベイビーオペラ『ムルメリ』がアジア初上陸! 2歳未満の赤ちゃんが、オペラ歌手3人の発するさまざまな声や自然音に触れられるという新しい“オペラ”だ(9月14日~16日)。
また、「オルガンでLet‘s SaLaD!」では、東京芸術劇場が世界に誇る回転式パイプオルガンが活躍。歌曲や児童合唱(東京ホワイトハンドコーラス、相馬子どもコーラス)とのアンサンブルにも注目だ(9月15日)。
会期中には、池袋の駅や商業施設などでフリーの街角コンサートも開かれる。
また別日程でスペシャルコンサートも開催。「ドラクエ・シンフォニックコンサート in SaLaD」では、作曲家すぎやまこういちが自らタクトをとる。ゲームのファンも聴き逃せない!
都響が47年ぶりに開く日比谷公園大音楽堂での屋外コンサート「SaLaDポップスコンサート in 野音」は、1964年の「オリンピック・マーチ」で幕を開け、久石譲やルロイ・アンダーソンの名曲、映画「スター・ウォーズ」の音楽などが、開放的なムードの中、無料で楽しめる。
盛りだくさんのコンテンツが楽しめるサラダ音楽祭。東京2020に向けて、Let’s SaLaD!
メインプログラム
会期: 9月14日(土)〜16日(月・祝)
会場: 東京芸術劇場、池袋エリア
スペシャルコンサート
日程: 9月19日(木)、10月27日(日)
会場: 東京芸術劇場、日比谷公園大音楽堂
※7月から池袋、新宿、上野、多摩エリアで無料のミニコンサートを開催
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