「極上の音響体験」をコンセプトに、TOHOシネマズ池袋が新たにオープン
7月3日に池袋東口に新しくオープンしたTOHOシネマズ池袋。「極上の音響体験」をコンセプトに日本初の音響システムを導入している同館を、いち早く体験した。
オーディオ・アクティビスト(音楽家/録音エンジニア/オーディオ評論家)。東京都世田谷区出身。昭和音大作曲科を首席卒業、東京藝術大学大学院修了。洗足学園音楽大学音楽・音...
映画館で極上の音響体験を!
2019年に誕生した新複合商業施設「ハレザ(Hareza) 池袋」。池袋駅から徒歩5分に位置する、中池袋公園の隣にそびえ立つ3棟の建物からなる注目の大型施設だ。その中の、池袋の新たなランドマークとなる高層ビル「ハレザタワー」の2階から6階に、座席数約1700席・10スクリーンを有するシネマコンプレックス「TOHOシネマズ池袋」が7月3日にオープンした。
TOHOシネマズ池袋の目玉は、なんと、「極上の音響体験」。劇場としては日本初導入のスペシャルな音響システムが投入されているという。そこで、開館に先駆けて一足先に体験するべく、池袋に直行してきた。
池袋駅を出て中池袋公園に辿り着くと目の前に現れる巨大かつ印象的な3棟の建物。新たな池袋の景観である。そして、ハレザタワーの2階エントランスからTOHOシネマズ池袋のロビーに一歩足を踏み入れると、そこには、これまでの映画館とは少し違ったロビーが広がっていた。「シンプルかつストレスフリーに映画を楽しんで欲しい」というコンセプトのもと、上映作品の大型ポスターなどは掲示せず、至ってシンプルなロビー空間が展開されているのである。開館前ではあるものの、その空間は実に整然としていた。
日本初の音響システムを採用
そして、いよいよ、この劇場が誇る日本初の音響システムを備えるシアターへ。TOHOシネマズ池袋の目玉は2つ。ほかの劇場では決して味わえないド迫力の轟音を全身で体感できるサウンドシアター(2番シアター)と、カスタムメイドの高性能スピーカーが40個ほど配備された2つのプレミアムシアター(6番および10番シアター)である。
最初に体験したのは、轟音が味わえる2番シアター。シアターに入った途端に出迎えてくれるのが、剥き出しの大口径ウーファーたち。アイソバリック方式と呼ばれる、向かい合わせに配置して駆動する方式を、日本で初めて劇場で採用。実はこの方式、高級なホームオーディオの分野でも、とりわけハイエンドかつ大型のスピーカーにしか採用されない特別な方式である。アクションシーンのデモを体験したが、全身に迫る音の圧力が凄まじい。音というものが、そもそも、微細な気圧の変化であることを再確認させられるのだ。目の前に展開する大画面と併せて、爆発や建物の倒壊に巻き込まれる主人公の過酷な状況に、こちらまで本当に巻き込まれるかのようで、思わず汗ばんでしまった。
続いて体験したのが、こちらも日本初の、カスタムスピーカーによるドルビーアトモス・サラウンドシステム。カスタムメイドで据え付けられたという、40個ほどのスピーカーが前後左右、そして上空から客席を取り囲む。しかも、このスピーカーたちは、それぞれがシンプルなひとつのスピーカーに見えて、実は同心円状にスピーカーユニットが配置されたもの。同軸型/コアキシャルスピーカーというもので、とりわけ音の定位感に優れたスピーカーなのである。定位とは音のポジショニングのことで、ドルビーアトモスのデモコンテンツの再生では、雨や風までが縦横無尽に生々しく駆け回る様に圧倒された。大規模でありつつも、ここまでクリアで密度の高い音の移動感は、これまで聴いたことがない。
以上、取り急ぎオープンに併せて簡単にその概要をお届けしたが、とにかくその迫力満点の表現力は、映画館という場所で初めて味わうものであった。機会があれば、ぜひとも改めて、また詳しいレポートをここでお届けしたいところだ。TOHOシネマズ池袋は、映画ファンはもちろんのこと、音楽を愛する皆さんも要注目のスポットである。
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