ケルティック・ハープってどんな楽器? 松岡莉子が語る奥深い世界
2018.09.16
日めくりオントモ語録/ジャン・シベリウス
とてもよい気分だ。死の瞬間にさえ、唇に笑みを浮かべてしまうほど満足している
(1909年4月15日付)
―― ジャン・シベリウス 神部智著『シベリウス』(2017年/音楽之友社刊)より
フィンランドが生んだ大作曲家シベリウス円熟期の作品、弦楽四重奏曲《親愛なる声》完成直後に書かれた手紙から。自身の作品に常に批判的だったシベリウスには珍しく、この作品には相当の自信を抱いていたようです。シベリウスはこのあと、一作も弦楽四重奏を作曲していないことを考えても、この作品に対する満足感の高さを感じさせると著者は続けています。
ジャン・シベリウス:弦楽四重奏曲ニ短調 op.56 《親愛なる声》
エマーソン弦楽四重奏団
ジャン・シベリウス(Jean SIBELIUS 1865-1957)
フィンランドの作曲家。青年期にはヴァイオリニストを目指したが、後に作曲に専念した。主要作品は、7曲の交響曲、《フィンランディア》をはじめとした交響詩、ヴァイオリン協奏曲などのほか、劇音楽・歌曲・ピアノ曲も多数。
1925年以降はほとんど作品の発表をしなくなり、1957年にヤルヴェンパーの自宅、通称「アイノラ」にて91年の生涯を閉じた。
神部智(Satoru KAMBE)
茨城大学教授。ヘルシンキ大学大学院博士課程修了。博士(音楽学)。大阪大学、宇都宮大学、国立音楽大学講師を歴任。東京藝術大学。横浜国立大学、早稲田大学の公開講座、自治体主催の市民講座をはじめ、NHK番組の出演・監修など、多方面で活躍している。シベリウスにかんする論文、エッセイ、プログラム・ノート、ミニチュア・スコア(音楽之友社)の解説を多数執筆。
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