愛と自由を求めたロックミュージカルが7年ぶりに上演 前編

『ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ』でロックバンド女王蜂のアヴちゃんが主人公を支えるイツァークに挑戦!

インタビュー
2019.04.23

1997年よりオフ・ブロードウェイで初上演され、ロングランを記録した『ヘドウィグ・アンド・アングリー・インチ』。2001年には映画化され、舞台・映画ともに一大ブームを巻き起こしたこのロックミュージカルは、これまでの日本語版でも全日ソールドアウトの大盛況となった。今回、7年ぶりの上演が決定し、ロックバンド女王蜂のヴォーカルを務めるアヴちゃんがイツァーク役に抜擢。音楽や舞台、エンターテイナーとしての意気込みをたっぷり語ってもらった。

インタビューされた人
アヴちゃん 女王蜂のヴォーカル
アヴちゃん
インタビューされた人
アヴちゃん 女王蜂のヴォーカル
2009年結成のバンド「女王蜂」のヴォーカルを担当し、作詞作曲も手掛ける。高音と低音を使い分ける個性的なヴォーカル、独創的かつ衝撃的なパフォーマンスが音楽業界のみなら...
聞き手・文
よしひろまさみち 映画ライター・編集者
よしひろまさみち
聞き手・文
よしひろまさみち 映画ライター・編集者
音楽誌、女性誌、情報誌などの編集部を経てフリーに。『sweet』『otona MUSE』で編集・執筆のほか、『SPA!』『oz magazine』など連載多数。日本テ...

イツァーク役をやることで、自分たちのパフォーマンスにも影響

2017年にクリエイターのジョン・キャメロン・ミッチェルによる日本特別公演が上演されたのも記憶に新しいロックミュージカル『ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ』。

あのときは、いわばヘドウィグのいいとこどりダイジェスト&日本公演向けに特別アレンジされたものが披露されたんだけど、今回はフルスペックのヘドウィグ! これまで日本版では、デミセミクエーバーのヴォーカルのエミ・エレオノーラや元ミドリのヴォーカルの後藤まりこなどが演じてきたヘドウィグの相棒イツァークを、今回はロックバンド・女王蜂のアヴちゃんが演じるとあって、見る前からボルテージ高まる~! ベストキャストじゃね? との誉れ高いアヴちゃんに話を聞きました。

――女王蜂のファンなんですよ(いきなり)。

アヴちゃん ありがとうございまーす! 今日はごめんなさいね、ジーンズだから(ナマ足見せられなくて)。

――いえいえ、お会いできただけでも~。さて、イツァーク役に決まる前から『ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ』はご存じでしたか?

アヴちゃん もちろん! 映画版も舞台版も拝見してます。舞台版は2012年に森山未來さんがヘドウィグを演じたバージョンと、2017年のジョン・キャメロン・ミッチェルの特別公演を見に行きました。2017年版のイツァーク役を演じた中村中さんのお芝居と歌唱がすごすぎて大感動でした。

――自分もキャスティングされることになったわけですが、舞台をご覧になったときの率直な感想は?

アヴちゃん 「バンド!」って感じ? ロックでバンドで、好みでした。

――そしてキャスティングされたわけですが。

アヴちゃん 「ついにきたな」って思いました。ヘドウィグも好きだけど、ヘドウィグとイツァークどちらの気持ちも理解できたら素敵なことなので、今回イツァークを演じられるのはとても嬉しいんです。

女王蜂としてメジャーデビューしたのが2011年なんですが、そのときから「日本のヘドウィグが出てきた」ってメディアに書かれたこともあったので、この作品には深く思い入れがあるんです。当時、私は10代であまりよく知らなかったから「え?」って思っちゃったんだけど(笑)。その翌年に舞台を拝見して「なるほど、こういうことを言ってたのね」と理解できたんです。

――女王蜂のどこがヘドウィグっぽいところだと思いました?

アヴちゃん 私たちの超ナイスバディなルックスとか、ライブがシアトリカルだと言われることも多くて、そういうところからヘドウィグを連想されるのかなと思います。たとえるなら、私がいつもヘドウィグの立ち位置でやっていて、他のみんながイツァークみたいな感じだから、今回イツァーク役をやることでイツァーク側の気持ちもわかるようになると思うと、自分たちのパフォーマンスにもなにかしら影響していくことになるんじゃないかな、って思っています。

どんな仕事でも、必ず経験が次に活きるようにしている

――お稽古が大変ですね。

アヴちゃん ツアー中なので、ツアーを終えてからダッシュで取り組みます(笑)。メンバーはみんな応援してくれているので、その期待にも応えないとね。でも大丈夫! 

――ロックミュージカルといえばこの作品と『ロッキー・ホラー・ショー』が並び称されることが多いですけど、『ロッキー~』も2017年に演じてらっしゃいますよね。

アヴちゃん あのときは、ミュージカルやお芝居が初めてだったんですが、きっと座組が素敵だったから成功したんだと思うんです。女王蜂が演出をつけてもらうのも初めてだったし、初めてダンスを踊るっていうのに、東京ゲゲゲイが振り付けてくれるというエキスパートコースだったりとか(笑)。いきなり上級者コースで始まったけど、それが良かったんだと思うんです。

今振り返ると、それまでの私たちはスマホのメインカメラで撮影をしていたんだけど、あのときは初めてスマホで自撮りした感じ。自撮りって冷静に構図を考えたりするけど、他撮りって冷静ではないんですよね。あの経験はとても面白かったし、あの経験があったからこそ今の私は、常に周りにたくさんドローンカメラを据えている感じでパフォーマンスするようになりました。

――あのときの経験も女王蜂のほうに活きてるんですね。

アヴちゃん やっぱり「持ち帰る場所」があるっていうのが、お芝居などライブ以外のお仕事のときに必ず考えていること。だからどんなお仕事でも、必ず経験が次に活きるようにしているんですよね。ちょっとズルいかも。

――いえいえ、向上心ですよ、それ。

アヴちゃん でもねー、今回は『ロッキー~』のときと違って、バンドのメンバーがいないから、不安もあって。メンバーは後方支援してくれるとは言ってるけど、やっぱりさびしい! 夜中に「励まして!」ってメッセージを打っちゃうかも(笑)。

インタビュー後編へ続く(近日公開)
ブロードウェイミュージカル
ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ

愛と自由を手に入れるため性転換手術を受けたものの、手術の失敗によって股間に「アングリーインチ(怒りの1インチ)」が残ってしまった、男でもあり女でもあると同時にそのどちらでもないロックシンガー・ヘドウィグ。幾多の出会いと別れを経験し、傷つき倒れそうになりながらも己の存在理由を問い続け、「愛」を叫び求める姿を描く。

 

作:ジョン・キャメロン・ミッチェル

作詞・作曲:スティーヴン・トラスク

翻訳・演出:福山桜子

出演:ヘドウィグ=浦井健治

   イツァーク=アヴちゃん(女王蜂)

会場:EX THEATER ROPPONGI ほか福岡、名古屋、大阪

公演日:2019年8月31日(土)~9月8日(日)

入場料:全席指定 8,800円(税込) ※別途1ドリンク代 500円必要

主催:テレビ朝日/ニッポン放送

問い合わせ:サンライズプロモーション東京 0570-00-3337(全日10:00〜18:00)

www.hedwig2019.jp

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