トイピアノやオルガンなど4種類の楽器で、バッハのゴルトベルク変奏曲を録音する塚谷水無子の発想
オルガンを軸に、さまざまな鍵盤楽器を弾き、録音してきたケンバニスト、塚谷水無子さん。
すでに3種類の楽器でCDリリースしているバッハの「ゴルトベルク変奏曲」を、いよいよトイピアノ(!)で果たしたとのこと、その真相に迫った。
1974年生まれ。東京藝術大学音楽学部楽理科卒業、同大学院修士課程修了。Maqcuqrie University(シドニー)通訳翻訳修士課程修了。2008年よりクラシ...
ひとりで4種類の「ゴルトベルク」を録音
数々のチェンバロ奏者やピアニストが名録音を残してきたバッハの「ゴルトベルク変奏曲」。
名手グレン・グールドのように、生涯に複数回レコーディングする奏者もいる。だが、教会の歴史的な巨大パイプオルガン、持ち運び可能な小さなポジティフオルガン、現代のピアノ(ブゾーニ編曲版)、そしてなんとトイピアノ(玩具のピアノ)を用いて録音し、それぞれでアルバムをリリースしたという奏者は、おそらく世界にたった一人だ。
塚谷水無子——自らを「ケンバニスト」と名乗る彼女のディスコグラフィーは、さまざまなオルガン作品のアルバムとともに、一連の「ゴルトベルク変奏曲」が並ぶという、きわめてユニークなものとなっている。
「ケンバニスト」の原点
飯田 「ケンバニスト」って、おもしろい肩書きですね。鍵盤楽器ならナンでもござれ! という、鍵盤への愛を感じます。もともとご専門はオルガンですね?
塚谷 オランダでパイプオルガンを専門的に学びましたが、私はオルガンが活躍した時代の古楽だけではなく、現代音楽や、ロックやアニメの音楽なども大好きなんです。さまざまなジャンルを鍵盤楽器で手がける奏者でありたいという思いがあるので、「ケンバニスト」と名乗ったら面白いかな、と。
飯田 そんな塚谷さんが、最初に出会った鍵盤楽器は?
塚谷 幼少期に買ってもらった真っ赤なトイピアノです。お布団の横に置いていた玩具のピアノ、今でも記憶にあります。幼稚園に入る少し前からピアノを習って、中学・高校時代は合唱の伴奏をするのが大好きでした。カトリック系の学校だったので、合唱祭といえばベルリオーズのモテット「タントゥム・エルゴ」や、コダーイの「天使と羊飼い」、モーツァルトの「戴冠ミサ」とか、かなり本格的な作品を演奏するんです。
だからもともとは、あまり鍵盤楽器をソロで弾くということにはピンときていませんでしたね。
飯田 オルガンとの出会いはいつですか?
塚谷 東京藝術大学の楽理科3年です。現代音楽の研究に興味があったのですが、大学の授業の一貫として今井奈緒子先生に副科レッスンを受け、この楽器に惹かれていきました。卒業後はオルガンをもっと専門的に学ぼうと、オランダに渡りました。
オランダという国は、第二次世界大戦が始まって1週間後に降伏しているので、深刻な爆撃を逃れているんです。なので、バッハ時代の貴重なオルガンが今もそのまま残っており、素晴らしい環境で学べるわけです。アムステルダム音楽院で6年学び、卒業後はオルガンで現代音楽と即興演奏にも取り組もうと、デンハーグ王立音楽院の修士課程に進みました。
飯田 首席で修了されているとのことですね。 オランダにはその後も長くいらっしゃいましたね。
塚谷 若い学生の指導や演奏活動をしていたので、トータルで17年はいました。でも、最終的には、日本語で時代の空気を共有しながら音楽活動をしたいなと思い始め、2013年からは日本に拠点を置いています。
チェンバロ作品を世界最大級のパイプオルガンで
飯田 塚谷さんは今回、トイピアノ、つまり玩具のピアノで「ゴルトベルク変奏曲」のアルバムを作り、話題となりました。
これまでの塚谷さんのディスコグラフィを見ますと、大きなパイプオルガンと小さなポジティフオルガンでも、それぞれ「ゴルトベルク変奏曲」をリリースされていますね。バッハがそもそも意図したチェンバロや、現代のピアノではなくて、オルガン! まずそこにも驚きます。
塚谷 ゴルトベルク変奏曲はアリアと30の変奏曲から成る曲で、バッハはチェンバロを想定して作曲しました。ですが、Pooh’s Hoopというレーベルから「オルガンで録音するという企画はどうでしょう?」とお話をいただき、「できるかも!」と。
もともと私は、オルガン曲のなかでもコラール変奏曲のような、小品がまとまって大きな作品となっているものが大好きなのです。小品一つひとつの変化を、オルガンのさまざまな音色で表現し、バッハ時代の演奏習慣を追求するのは楽しいことです。
「ゴルトベルク変奏曲」の楽譜をあらためて見てみたら、この作品は実はとてもオルガン的だな、と。チェンバロ奏者でもありオルガン奏者でもあったバッハだけに、楽譜にはいい意味で曖昧なところがありますし、彼の大先輩たちが時間をかけて作ってきたオルガンの演奏マナーを取り入れながら、この曲をオルガンで録音するというのは、「アリだ!」と思いました。そのときのひらめきや解釈については、著書にまとめています。
録音は、私がアムステルダム音楽院の卒業試験で扱った世界最大級のオルガンで行ないました。
1738年に製作、モーツァルト、ヘンデル、リストが実際に演奏した、オランダの聖バフォ教会の世界最大のパイプオルガンを、塚谷さんが演奏。J.S.バッハ:コラール「目覚めよ、と呼ぶ声あり」〜アルバム『バッハオルガン作品集』(キングレコード)より
チャーミングなポジティフオルガンで
飯田 このアルバムを皮切りに、お次は大きく世界観を変えて、とても小さなポジティフオルガンによるCDをリリースし、音楽ファンを驚かせましたね。
塚谷 ポジティフオルガンとは、小さなアンサンブル用の楽器です。音色を変えるストップは3つしかないので、音色の組み合わせ(レジストレーションといいます)も7種類しか作れません。鍵盤の幅は狭いし浅いし、レガートで(音を滑らかにつないで)弾くのも大変。バッハが使っていた運指、つまり2、3、4、2、3、4……、あるいは2、1、2、1……という指使いで音階を弾くといったことが、なかなかできないのです。
でも、楽器特有のチャーミングな音、おしゃべりしているような愛くるしい表現による「ゴルトベルク変奏曲」の録音を作れたらと考えました。
ポジティフオルガンの音
ピアノ88鍵をフル活用する表現へ
飯田 さらには現代のグランドピアノで、ブゾーニ編曲版による「ゴルトベルク変奏曲」という大作も録音されました。ピアニストたちもなかなか挑まない大変な作品!
塚谷 フルッチョ・ブゾーニの編曲では、ピアノの88鍵をフルに活用しきって「ゴルトベルク変奏曲」を表現しています。バッハが54鍵のチェンバロで作った世界を、88鍵の世界に仕立て直しするという発想はすごい。
ブゾーニは、オーストリアのピアノ・メーカー「ベーゼンドルファー」に、通常の88鍵よりも多い97鍵のピアノを作るようにアドバイスをした人としても知られていますが、調べてみると、ブゾーニはオルガン・フェチだったんですね(笑)。彼が最初にピアノ編曲したバッハのオルガン作品は、かなりオタッキーなオルガン・コラール。2声のペダルが出てくる渋い曲。相当好きだったんでしょうね。
私も作品や楽器の体格から生まれる音楽と、とことん向き合いたい。そんな思いから、ブゾーニ版をピアノで録音することにしました。
フルッチョ・ブゾーニのトップトラック
それにしても、なぜトイピアノ!?
飯田 さて、ここからいよいよ最新アルバム、トイピアノで作ってしまったゴルトベルク変奏曲について教えていただきたいのですが、なぜ、玩具のピアノでゴルトベルクをやろうと思ったのでしょう。そのきっかけは?
塚谷 トイピアノは、もともと好きだったんです。もう10年以上前になりますが、青島広志先生と行なっていたコンサートシリーズで、カワイのミニピアノを使ったことがありました。日頃オルガンの演奏台にいる私は、ホールのお客様との距離が遠いのですが、トイピアノならステージ上で、客席の近くでも使えます。ホール全体を使ってみようという趣旨もあって導入してみました。その頃に3台くらい購入したのが最初です。
実はわたし、自宅には練習オルガンを置いていないのですが、手近に弾ける小さい鍵盤楽器として、トイピアノでちょっとバッハの練習をしてみたら、たった32鍵しかないけれど、これが、使えるんです。
飯田 え! オルガンの練習に? ピアノよりも、むしろトイピアノ!?
塚谷 ピアノはオルガンの練習には使えないのです。鍵盤がついていると、みんな似た楽器だと思われがちですが、オルガンは鍵盤の奥にパイプ=笛がついているので、管楽器です。
先ほどお話しした指使いのように、オルガンにはオルガンの奏法、演奏習慣というものがあり、ピアノでそれをやると、まったくうまくいきません。ところが、トイピアノにはバッハの時代の古典運指法が合っているんです。そんなことがわかって、「もしかしてゴルトベルク弾けるのかなぁ……」とは考えていました。音域の問題はあるけれど、「2台あったら弾けるかも!」というのがスタートでした。4年ほど前には、カワイのミニピアノ2台を用いてプライベート録音をして遊んでみました。
飯田 なるほど、そういった経緯があったんですね。そして昨年の6月、トイピアノ愛好家の私と塚谷さんは、ある展覧会で偶然お会いしました。
今思うと不思議なのですが、初対面にも関わらず、なぜか「トイピアノって好きですか?」と真顔で質問してしまいました。普通、キャリアのあるオルガニストの方に、そんな質問しないんですけど(苦笑)。
塚谷 「ええ、弾きますよ」って私も真顔で応えましたからね(笑)。でも、そこからトイピアノのお話で盛り上がり、いろんな国にそれぞれの個性をもったトイピアノがあることを知ったり、飯田さんの楽器を見にいったり、所有している人とのつながりも生まれて、半年後にはレコーディングが実現しました。
飯田 すごいスピードで準備を進められましたよね。私が所有しているフランスのヴィンテージ・トイピアノや、日本製の巨大なトイピアノや、メーカー不明の妙にいい響きの楽器なども、今回のレコーディングで使用してもらえるということで、トイピアノたちを車に積んで、いそいそと収録現場へと出かけていきました。
小渕沢にあるフィリア美術館という、とても美しい響きの空間。到着したら、すでにものすごい数のトイピアノがワイワイと集っていて驚きました。圧巻でしたね。これから学芸会に出演する子どもたちがワクワクしながら待っているみたいで、可愛かった。わが子(トイピアノたち)もうまく馴染めるかしら〜……と、保育園に預けるお母さんみたいな気持ちになりましたよ(笑)。
塚谷 私の楽器と、飯田さんやトイピアノ愛好家の方たちからお借りした楽器など、総勢67台(笑)が集まりました。当初は30台くらいの使用で、と思っていたのですが、どのトイピアノも、オモチャとしても楽器としても魅力的! アメリカのジェイマーやシェーンハット、日本のイノウエなど綺羅星のように面白くて素敵な楽器たち、知らない国のユニークな響きのトイピアノもありました。
せっかくこんなにたくさん出会えたのなら全部使おう! とスイッチ入りました(笑)。覚えるために「じぇにご」(ジェイマー社製の25鍵のトイピアノ)や「じぇみそ」(ジェイマー社製30鍵)とか、「しぇぴん」(シェーンハット社製のピンク色の楽器)とか(笑)、平仮名4文字のニックネームを全部に付けて。まさに学芸会のキャスティングですよ。
ある意味では、オルガンのレジストレーションを考えるのと同じです。どの変奏で、どの響きのコを使うか、どうフォーメーションを組めばミスなく演奏可能か、楽譜にいろいろ書き込みながら、設計していきました。
飯田 音色も、個性も、タッチも、音域も、バランバランの67台! それらを弾きこなし、アリアと30の変奏にアレンジし、魅力的な録音作品を生み出す。これはもう、塚谷さんにしかできない偉業だと思います!
塚谷 右手と左手で複数の鍵盤を扱っていくのは、オルガニストとしては自然なこと。ただ今回は、足鍵盤が担当する低音がない。でも、楽器ごとの音のボリュームの差を生かして、立体的に作るようにしました。
統一感のあるアンサンブルにするには、同じメーカーのトイピアノを並べればいいし、これはソロでメロディを強調できる楽器だなとか、黒鍵のない楽器をどう使おうか、などと考えていくのも面白いんです。オモチャなので、黒鍵のついていないカラフルな鍵盤だけが並んでいたり、弾いてみたら音が出なくて飾り(ダミー)の黒鍵だった、とかあるんですね。
ところが! そういう楽器に、なぜかまるっと半音ズレているコがいたりする(笑)。「あ、黒鍵のないコにも出番がある!」と気づきました。この黒鍵なしのコを黒鍵役に、ピッチのいいあのコには白鍵役を……と、白雪姫1役をふたりで一緒に演じさせるノリです。それで、右手で2台のトイピアノを同時に弾く都合上、最初の「アリア」は縦に楽器を積み上げて演奏してみました。
飯田 トイピアノの五重の塔! あれは可愛いけれど、妙な迫力がありました。しかも完全4度ずれている楽器などもあったりして(つまり、「ド」を弾いているのに実際には「ファ」の音が鳴る)、あれらを即座に弾いている塚谷さんの頭の中はどうなってるんだろう!? と、ちょっと怖いくらいすごかった(笑)。
塚谷 そうそう、in Fの楽器、ありましたね。オルガニストは日常的に、コーラスの音程に合わせて、即座に半音ずらして移調するということも行なっているんです。教会のオルガンによっては、ラの音が古典調律で415ヘルツと半音低かったり、450ヘルツとか460ヘルツとか、極端に高いものもあるんです(現代のピアノやオーケストラは、440~442ヘルツ)。そういう楽器と出会っても、「しょうがないわね」と迎え入れることができるんです。
ただ、今回はさすがに、準備段階でハ長調からへ長調への移調スコアを作ったりもしましたけどね。実際の演奏中は、ほとんど楽譜を見ている余裕はないんですが。
飯田 第4変奏などは、速やかに手を動かして9台の楽器を縦横に並べてましたからね……ササッと手を移動させる様子など、カッコよくて、可愛くて。録音では伝わらないので、リハーサル中に一部録画してしまいました。
塚谷 この第4変奏で使用した楽器のメーカーはバラバラ。17鍵のものや25鍵のもので、メインを一応決め、繰り返しでは変化をもたせました。ゴールドンというメーカーの、ものすごく音痴な楽器も、あえてこの変奏で使いました。古い玩具のありのままを取り入れてみようかな、と。
飯田 突然コケるような音痴クンが入ってきて、あれが実に面白い。クスッと笑ってしまうんですが、「がんばれ!」と応援したくなるような、切ない気持ちにもなったり。トイピアノでしか味わえない、独特な世界観が浮かび上がりましたね!
トイピアノの録音現場は過酷!?
飯田 それにしても、真冬の小渕沢で、深夜にまで及んだ3日間のレコーディング、とても寒かったですね。演奏していたホールは、音を拾ってしまう関係で、一切暖房なし。おそらく氷点下だったと思います。私は5分と居られない凍てつく空間で、塚谷さんは何時間も弾き続けられました。
塚谷 冬のヨーロッパの教会で、オルガンを弾く環境と大きく変わらないので、慣れているんです。ただ今回はトイピアノなので床に座っていたから、レッグウォーマーをつけたり、何枚も厚着をして凌いでいたんです。1曲撮り終わるたびに、モニタールームで飯田さんが用意してくれたお湯に手をつけて温めたしね。
飯田 お湯を用意するくらいのことしか、私にはできなかったので……。 しかも、連日のお昼ご飯や夜ご飯まで、塚谷さんが手作りのハンバーグお弁当、カレー、ちらし寿司など、チーム全員分を用意してくれました。本当に美味しくて、ありがたかったけれど、なぜ奏者がそこまで!? と……
塚谷 録音はチームワークですからね、「同じ釜の飯を食う」ことはとても大切だと考えているんです。お腹空いてる状態では、みんないいお仕事ができないですから。
飯田 食べるのに夢中で、お弁当の写真を撮らなかったことが、個人的に痛恨の極みです。
生形三郎が録音する、楽器や空間のリアル
飯田 このCDの素晴らしいところは、スピーカーからしっかり鳴らしてみますと、まるで自分が塚谷さんになったかのような、周りをグルッとトイピアノに囲まれたようなサウンドを楽しめるところにあります。縦に積まれ、横に広がるトイピアノたちの、どの楽器がなっているのか、その定位を感じ取りながら聴ける。オーディオ・ファンにとっても楽しくて未知の体験ができますね。
塚谷 そもそもPooh’s Hoopは、大きなパイプオルガンでは教会の消えゆく残響7秒の世界を、ポジティフオルガンはパイプの中を駆け抜ける空気の息づかいを、シルヴェストロフはペダルのサスティーンとピアノ弦のまわりにとりまいてるウネウネした美しい響きを録ろうよ! みたいなことをいう変わったレーベルですから(笑)。
トイピアノの録音エンジニアは、音フェチの生形三郎さんです。生形さんの生み出す音源は、楽器のピュアな美しさをきちんと出してくれます。楽器そのものが持っているユニークなノイズも含めて、空間の響きや、いい意味でのリアルをきちんと作ってくれる。アルバムとしては、シルヴェストロフの作品集と、バッハ=ブゾーニに続く、3作目のコラボレーションです。
塚谷 今回は変奏ごとに楽器のフォーメーションを変えたわけですが、生形さんがマイクの位置を丁寧に、慎重にセッティングしてくださいました。模範解答のない、あんな大変なものを、根気強く、納得いくまで、本当によく付き合ってくださったと思っています。
飯田 最後のトラックには、なんと電子トイピアノの音源を用いた、生形さんらしいミュジック・コンクレート的な録音作品も収められていますね。アルバムの意義を一段と深く考えたくなるような素敵な1枚に仕上がっていると思います。すばらしいコラボでした。
塚谷 ありがとうございます!
ちなみに……鍵盤ハーモニカでゴルトベルク変奏曲を絶賛お試し中です。ケンハモはベルギーのオルガンコンサートで、即興でパイプオルガン&ケンハモの二刀流で演奏しまして(笑)、 音色の面白さにすっかりはまってしまいました。バスやソプラノ、さまざまな音域に鍵盤数、ヴィンテージ楽器、想像を遥かに越えて奥深い、この楽器の魅力、リード楽器ならではの魅力にハマっています。
音楽的に成立させるのは無論難しいので、どうなるかわからないですけど……肺活量を増やさないとね!
飯田 これからも、塚谷さんのさまざまな挑戦、楽しみにしています!
♪塚谷水無子さんの、録音の聴きどころ解説♪
取材にお邪魔したサウンドクリエイトにて、塚谷さんの4枚の「ゴルトベルク変奏曲」を、LINNのネットワークプレーヤーとブロッドマンのスピーカーで聴いてみました!
トイピアノ:
「アリアは、楽器のもつ唸りも、カタカタする音なども忠実に再現され、生形さんらしい音への愛が、きちんと伝わります。第4変奏は複数の楽器の位置がはっきりとわかるほど、定位がしっかり。第30変奏の鐘のような響きも見事です」
バッハ=ブゾーニ
「CDトラック33に収めた『主イエス・キリストよ、われ汝に呼ばわるBWV639』は、映画『惑星ソラリス』で使われている有名な曲です。実はこれは、練習テイクの一発録りを収めたものなのですが、このセットで聴くと、響きが素直で、弾いていた会場を思い出します。演奏中にときに聴こえた滲むような響きが、録音でもきれいに聴こえます」
大きなオルガン
「第17変奏は、高音の密やかな音がリッチに響きますね」
ポジティフオルガン
「第12変奏は、管を通る空気のスポンという音、楽器ならではの響きがして面白いし、第24変奏も、やはり素直でとても気持ちがいい音。会場の空気を思い出します」
タンノイのヴィンテージでも一部聴取。1960年代、英国オリジナルキャビネットのGRFにはモニターゴールドが搭載されています。
「大きなオルガンの音は、 広がりが素晴らしく、低音がとてもよく鳴りますね。トイピアノによる第3変奏も、綺麗だし、楽器の位置が変わったというのが明らかに伝わります」
と塚谷さんもうっとり。
ヴィンテージも扱う海外オーディオのセレクトショップ。製品の提案からインストール、アフターフォローまで対応する。
住所:東京都中央区銀座2-3-5 三木ビル本館2F・5F
営業時間:水曜〜土曜 12:00〜19:00、日曜・祝日 11:00〜18:00
定休日:月曜・火曜
問い合わせ:フリーダイヤル 0120-62-8166/Tel.03-5524-5828、03-5524-3643
公式サイトはこちら
関連する記事
-
マリの卓越したコラ奏者トゥマニ・ジャバテは歌の伴奏だったコラをソロ楽器として認識...
-
10年目の音楽フェスLive Magic最終回が2024年10月19日、20日に...
-
デイヴィッド・サンボーン~ブルーズ、ソウル、ジャズとジャンルにとらわれない活動
ランキング
- Daily
- Monthly
関連する記事
ランキング
- Daily
- Monthly