音楽で振り返るパトリック・チャンの現役生活

パトリック・チャンの演技で使われた名曲

プレイリスト
2018.04.20

2018年4月16日、惜しくも選手生活を引退したカナダの名フィギュアスケーター、パトリック・チャン選手。現役中、大会で印象的に使われた音楽をクラシック中心に集めたプレイリストです。

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Patrick Chan lors du gala du trophée Éric Bompard 2013 à Paris-Bercy. ©Jiel Beaumadier
川上哲朗 ONTOMO編集者
川上哲朗
川上哲朗 ONTOMO編集者
東京生まれの宇都宮育ち。高校卒業後、渡仏。リュエイル=マルメゾン音楽院にてフルートを学ぶ。帰国後はクラシックだけでは無くジャズなど即興も含めた演奏活動や講師活動を行う...

1.  ラフマニノフ: ピアノ協奏曲第2番 第3楽章

2009年、初出場で鮮烈な優勝を飾った4大陸選手権のロングプログラムで、同じくラフマニノフの《チェロソナタ》と共に使用されていました。フィギュアスケーターには人気の曲で、浅田真央選手のソチ・オリンピックの伝説のロングプログラムでは1楽章が使われています。

アンドリュー・ロイド・ウェーバー:《オペラ座の怪人》から

2. 「オペラ座の怪人」

3. 「ミュージック・オブ・ザ・ナイト」

世界選手権で初の金メダルを手にしたときの曲目。演技にはアンドリュー・ロイド・ウェーバーが弟であるチェリスト、ジュリアン・ロイド・ウェーバーとヴァイオリニストのサラ・チャンのために編曲した《オペラ座の怪人によるファンタジア》が使用されていました。

4.ロドリーゴ:《アランフェス協奏曲》第2楽章

現役生活の中で世界選手権、4大陸選手権、グランプリファイナルの三冠を手にした唯一のシーズン2011-2012のプログラムで使われていました。この年はまさに絶好調、真紅のシャツで滑る情熱的なスケーティングが印象的な1曲です。

5.ラフマニノフ:《幻想小品集》エレジー

2012-2014の2シーズンにわたってショートプログラムで使われた曲。放送でもスケート靴のエッジがリンクに当たる音がはっきり聴こえるほどに静かな部分から盛り上がり、ステップの部分では大歓声が巻き起こっていました。

プッチーニ:《ラ・ボエーム》から

6. 「ミミ!- 私です、ここにいると思っていました。」

7. 「私が道を歩くと」(ムゼッタのワルツ)

8. 「誰が頼んだんだ?」(2幕のフィナーレ)

世界選手権3連覇を達成した2012-2013のシーズンのロングプログラム。プッチーニの名オペラ《ラ・ボエーム》で演技したパトリック・チャン。演技の最後は終幕の「ミミの死」の悲劇的なシーンの音楽を使用して、芸術的な面でも成熟した演技を見せました。

ヴィヴァルディ:《四季》から

9. 《夏》第3楽章 プレスト(夏の嵐)

10.《冬》第1楽章 アレグロ・ノン・モルト

オリンピックイヤーの2013-2014に使用したのは、バロック音楽であるヴィヴァルディとコレッリ。弦楽器とチェンバロだけのシンプルな編成の音楽に、淡い色合いのシンプルなシャツで滑る姿には異様な気迫がありました。ソチ・オリンピックでは羽生結弦選手に続く銀メダル。フィギュアスケート競技ではステップを踏むときに観客が手拍子をする習慣がありますが、ヴィヴァルディの「冬」にあわせて手拍子が起こったのには、不思議な感覚を覚えました。

11. ショパン:練習曲op10-12《革命のエチュード》

12. ショパン:前奏曲集 第4

2015-2016のシーズンのロングプログラムはショパン。「革命のエチュード」から始まり、瞑想的な前奏曲で音が一瞬途切れるときに、ジャンプするエッジの音が美しかったこと……。パトリック・チャンはついに自ら音楽を奏でるようになったのかと、妙な感心をしたのを覚えています。ショパンもやはりフィギュアスケートでは人気のある作曲家です。

 

残念ながらオリンピック個人での金メダルは叶わなかったパトリック・チャンですが、2018年平昌オリンピックでは団体金メダルの大きく貢献しましたし、世界選手権3連覇に加え、カナダ選手権10連覇!という偉業も成し遂げました。そして何より、彼のアーティスティックなスケーティングや、誰にも真似できない滑らかなエッジワークをこれからはアイスショーで楽しめると思うと、それはまた楽しみです。

音楽を聴きながら、ぜひ彼の偉業を振り返ってみてはいかがでしょうか?

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