レポート
2024.01.22
細やかな検索機能、空間オーディオなど初心者からマニアまで注目のサービス

クラシックに特化したアプリ「Apple Music Classical」が1月24日、日本に登場

川上哲朗
川上哲朗 Webマガジン「ONTOMO」編集部

東京生まれの宇都宮育ち。高校卒業後、渡仏。リュエイル=マルメゾン音楽院にてフルートを学ぶ。帰国後はクラシックだけでは無くジャズなど即興も含めた演奏活動や講師活動を行な...

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Appleのクラシック音楽専門アプリ「Apple Music Classical」。アメリカやヨーロッパでは先行サービスを開始していましたが、待望の日本版がついに、1月24日リリースされます。

リリースを記念して、Apple表参道にて発表会が開催されました。「Apple Music Classical」の気になる仕様を、イベントの模様を交えつつお伝えします。

特殊なクラシック音楽に特化した、痒いところに手が届く「検索機能」

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Apple Musicの利用者(月額料金学生580円、個人1,080円、ファミリー1,680円)は追加料金なしで利用できる「Apple Music Classical」。iPhoneとiPad(iOS)、Androidで利用することができます。

もちろん従来の「Apple Music」でも、500万曲を上回る膨大なクラシック音楽の録音を楽しむことはできました。しかし、他のジャンルと違い、1曲に対してたくさんのアーティストによる録音が存在するため、自分が求める録音に出会うのは非常に難しかったのです。

「Apple Music Classicalでは、どのサービスでも満足な体験ができなかったクラシック音楽ファンのために、なにか特別なことがしたいと願っていた。そして、その結果にとても誇りを持っています」とビデオメッセージで語るApple Music担当バイスプレジデントのオリバー・シュッサー

「Apple Music Classical」では作曲家、作品名、ニックネーム、作品番号、時代、楽器など、多くの音楽情報、メタデータを備えることで、快適な検索を実現します。

「ベートーヴェン 5」で検索すると、有名な《運命》のほかにも、ベートーヴェンのさまざまな「第5番」が検索結果に
曲をタップすれば、曲の解説やキュレーターおすすめの演奏。もちろん、その作品が収録されたすべての録音一覧も表示される

また、未知の作品と出会うきっかけにもなりそう。例えば、これまでのApple Musicに「Op.67」と検索をかけると、「ベートーヴェン:交響曲第5番《運命》op.67」や「プロコフィエフ:ピーターと狼 op.67」といった作品の限られたレコーディングが、パラパラと検索結果にかかるだけでした。

しかし、「Apple Music Classical」で検索してみると……

一発で、さまざまな作曲家が書いた「op.67」の作品が一覧で出てきます。それぞれの曲をタップすれば、その作品が収録されたアルバム(例えば《運命》なら612アルバム!)が表示されます。

オーディオ品質(最大192kHz/24ビットのハイレゾロスレス)についても、数千ものレコーディングを臨場感あふれる空間オーディオ(Dolby Atmos)で提供するとのことです。

Apple Music Classicalを統括するジョナサン・グルーバーが登壇し、アプリの詳細を解説した

世界の一流アーティストがパートナーに! 限定コンテンツにも注目

パートナー団体やアンバサダー・アーティストによる限定コンテンツも魅力のひとつ。現在、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団、メトロポリタン歌劇場やカーネギーホールなど、世界の名だたるホール、アーティストがパートナーに名を連ねています。

日本でのサービス開始に伴い、サントリーホール、Bunkamuraオーチャードホール、ディズニー・オン・クラシック、新日本フィルハーモニー交響楽団、東京フィルハーモニー交響楽団が新たなパートナーに加わります。

また、ダニエル・バレンボイム、ゴーティエ・カピュソンら豪華アーティストが限定録音を提供する「Classical Session」に今回、ピアニスト藤田真央、フルート奏者Cocomiが名を連ねた。

佐渡裕、村治佳織、角野隼斗がアーティスト・アンバサダーに就任

今回のイベントには、アーティスト・アンバサダーに就任したギタリストの村治佳織さんと指揮者の佐渡裕さんが登場。ピアニストの角野隼斗さんもビデオメッセージで登場しました。

イベントではギター演奏も披露してくれた村治さんは、「たとえば“コスタリカ”という国名で検索したら、なかなか聴くことのないコスタリカ国歌が表示されました。世界中の曲を簡単に検索し、聴くことができる子どもたちが成長してどんな音楽を作り、またどんな聴衆になってくれるのかが楽しみです」と、このアプリの未来への連なりを語ってくれました。

「バーの隣に座ったロック好きな人に、“この曲はバッハのフレーズが使われているんですよ”と紹介して、興味を持ってもらえることがある。そういった体験が、簡単にできるようになると期待しています。指揮者としては、さまざまな楽曲やアーティストがいつでもチェックできるので、仕事にも活用できそう」と、佐渡裕さんも期待大!

角野さんのメッセージは動画でどうぞ。

クラシック音楽の無限の可能性を感じさせてくれる「Apple Music Classical」。クラシックファンはもちろん、これからクラシック音楽の扉を開ける方にこそおすすめしたいサービスです。iPhone/iPadのApp Storeでは予約を受付中です。

川上哲朗
川上哲朗 Webマガジン「ONTOMO」編集部

東京生まれの宇都宮育ち。高校卒業後、渡仏。リュエイル=マルメゾン音楽院にてフルートを学ぶ。帰国後はクラシックだけでは無くジャズなど即興も含めた演奏活動や講師活動を行な...

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