ドリームズ・カム・トゥルー30周年の史上最強の移動遊園地

あのドリカム・ワンダーランドを親子で初体験!多様な音楽世界を見る意味

レポート
2019.09.24

夏休み気分一色の8月、編集部員とその子どもたちが「史上最強の移動遊園地 DREAMS COME TRUE WONDERLAND 2019」を初体験!

体験した人
和田響子 ONTOMO編集長
和田響子
体験した人
和田響子 ONTOMO編集長
埼玉県出身。DTPや自転車の専門誌の編集部を経て、音楽之友社に入社。現在、Webマガジン「ONTOMO」とオンラインショップ「ONTOMO Shop」を担当。中学校か...

瞬時に会場をひとつにする圧倒的なオーラ

巨大なスクリーンに、はじまりを知らせる映像と音楽。

どんなオープニングになるのか、ポップコーンを食べていた子どもたちの手も止まり、聴衆の集中が高まる。

どこからかドラムマーチが聴こえてきて、アリーナ席から波及するように会場全体に歓声と拍手が湧き起こる。客席中央からステージに向かうマーチング隊の姿を確認。

主役であるドリームズ・カム・トゥルーの2人も登場。
ポップスのライブが未体験の筆者と子どもたちは、期待を身を乗り出して何が起こるのか、目を凝らしてステージを見つめる。そこから数曲は、若干の緊張感をもって前のめりのまま、気付いたら息をつくことも忘れていた。ふぅーっ。

写真は京セラドーム大阪。

全身全霊が捧げられたパフォーマンス

8月11日、さいたまスーパーアリーナ。ちょうどドリカム結成30周年にあたった4年に一度の「史上最強の移動遊園地 DREAMS COME TRUE WONDERLAND 2019」、3万7000席でペンライトが揺れる。

2つの巨大スクリーンに映し出される出演者の表情、全員に届けとばかりにホーンセクションをも乗せてアリーナ後方まで迫り出すステージ、前後のステージや花道で目を楽しませてくれるダンサーたち……。

そして、吉田美和は宙吊りになって舞い、ラートという大きな輪に入ってサーカスのように回転し、軽やかに踊り、全身で歌っていた。

そんな天才を愛情たっぷりに紹介する中村正人は、ベース弾きらしく、縁の下で支えている兄貴のような存在だろうか。出演者全員がハッピー! ハッピー! なオーラを身体中にまとい、全身全霊でパフォーマンスする。

この巨大な会場であっても、手が届きそうな距離感とアットホームさ。なぜだろう。全身が音楽でできているような吉田美和の歌声に、親しみやすさや温もりを感じるからなのか、「みんなを漏れなく楽しませたい」という願いが表情ににじみ出ているからか。

歌姫、吉田美和のエネルギーはすごかった。
愛あふれるMCで包み込んだベースの中村正人。
会場すべてのファンに気を配るパフォーマンス。

演出を作り上げていく様子も収められた映像

ドラムスも、ホーンセクションも

ミュージシャンも豪華だ。ドラマーはふたり、アース・ウィンド&ファイヤー2代目のソニー・エモリーとT- SQUAREの坂東慧。ふたりのドラム対決はどちらも譲らず、「これでもか」と言わんばかりの白熱もの。子どもたちも大スクリーンに映し出された、華麗なドラムさばきやリズムの応酬に釘付けになっており、只者でない空気を感じたようだ。

アース・ウィンド&ファイヤー2代目ソニー・エモリー。
シャイながら職人技を見せたT-SQUAREの坂東慧。

ホーンセクションには、元タワー・オブ・パワー(アメリカのファンク、R&Bのバンド)のトランペット、グレッグ・アダムをはじめ、凄腕たちが揃う。トゥッティでは分厚くキレのあるサウンド、ソロでは艶やかに、渋く、魅せた。

吹奏楽でのトランペット歴約20年の筆者にも、グレッグ・アダムのソロでの、まろやかさもある鮮やかな音色が、マイクを通していながらも生音を感じさせてくれて快感。そのワンフレーズが心の隙間に入り込んで、大切な記憶の一部になっている。

脇を固めるミュージシャンたちの見せ場もあり、その音楽がぶつかり合い、交じり合いながら多彩な側面が見られるのは、ドリカムを盛り立てる重要素だし、まさに音楽の醍醐味だろう。

分厚い音圧ながらキレのあるホーンセクション。
元タワー・オブ・パワーのトランペット、グレッグ・アダム。

ライブだからこそリアルな現在進行形を体感!

吉田美和は、結成30年を迎えた今こそ聴いてほしい曲を選んだという。
「今回はいつものリクエストは一切もらっていません。選曲はひと言でいうと、渋め(笑)。そして、ワンダーランドだから長い。渋くて長い!」とファンに覚悟を呼びかけ、笑いが起こる場面もあった。

実際のライブは、2時間半ほど。筆者がドリカムにどっぷり浸かっていた青春時代=90年代のヒット曲も多かったが、正直、初耳のものもあった。ライブでなければ、聴く機会がなかった曲もあっただろう。

しかし、大スクリーンに出てくる歌詞を見ながら、いまドリカムが「聴かせたい」曲を聴くことができたのは、懐メロ的に過去を振り返るだけではない前向きな体験だった。筆者にもまして、6歳と4歳の息子たちは、車中などでドリカムを流すこともあるとはいえ、母以上に知らない曲が多い。でも、あまりにもパワフルで刺激的で、幸せオーラを放つパフォーマンスに飲み込まれ、いま何が起こっているか、忙しそうに目と耳でインプットしていた。

ドリカムは結成30周年を迎えた2019年は、4年に一度のワンダーランドとも重なり、特別な年に。

広い世界を見て体験する意味

筆者は子どもの頃から、ピアノを習い、吹奏楽を部活や社会人バンドで演奏していたこともあり、クラシックやジャズは身近だけれど、ポップスやロックのライブには踏み出すきっかけがないままでいた。だから、息子たちにとってもコンサートといえば、コンサートホールへ行って静かに座って聴くものが多かったのだが、これが年齢的にもまだまだ難しいし、世界は広い。

今回は一緒に歌っても、手拍子しても、飲食もOK、会場の規模も大きい。最寄駅からぞろぞろと会場に向かう人の波、照明、音圧、熱狂……すべてが初体験で新鮮だった。

何が好きなのかは、子どもであっても価値観はそれぞれだから、「今度はどんなコンサートに行ってみようか?」などと、どんどん新しい場所を提案、チャレンジして、そのうちに子ども自身が「好き」を見つけられるようになったら、大人の役目は果たせたということなのかなと思う。

7〜9月の11公演のチケットは即日sold outだったようだ。

さて、全身でノリノリの手拍子をしていた次男に比べ、なかなか表情に出さない長男に「どうだった?」と質問しても言葉はなく、ここはあえて「つまらなかったことは?」と聞いてみると、「ペンライトを買ってくれなかったこと」。

あぁ……ペンライト振りたかったよね、うらやましかったよね。
クラシックのコンサートと同じように会場入りしてしまい、グッズ売り場に寄る余裕がなかったことが悔やまれる。次回こそ!

駅からは、さいたまスーパーアリーナへ向かう人ばかり。
グッズ売り場にも人の列……2時間も前に開場することの意味を知る。
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