2023.07.26
ソロからアンサンブルまでフィールドを広げる オーケストラの人気プレイヤー7人
札響の新シーズンのテーマは“夜─Night”。安らぎをもたらす夜の静けさだろうか。確かにプログラム全体を見ると穏やかな世界が広がっている(ような気がする)。
開幕は正指揮者の川瀬賢太郎とフィンランドのコンポーザー・ピアニスト、オリ・ムストネンの共演。ラフマニノフ;交響曲第2番、プロコフィエフ:ピアノ協奏曲第3番ほか(2023年4月)。こうしてみると川瀬は、次年度は日本中を飛び回っていることがよくわかる。求められている指揮者なんだな。
そしてまたしても広上淳一(札響では友情指揮者というポストを持つ)が登場し、いまや風格さえ漂わせる反田恭平とラフマニノフ:ピアノ協奏曲第3番。これはかなりの聴きものになるはずだ。ラヴェル:《スペイン狂詩曲》とドビュッシー:《イベリア》との組み合わせもユニーク(2023年6月)。
首席指揮者のマティアス・バーメルトはイギリスのテノール、イアン・ボストリッジとブリテン:《セレナード》とブルックナー:交響曲第6番。ボストリッジは久々の来日、演劇的な表現性は健在だろうか?(2024年1月)。
名誉音楽監督の尾高忠明のオール・エルガー・プログラムも英国音楽ファンにとってはたまらないところだろう。《夕べの歌》、チェロ協奏曲、交響曲第2番。チェロ独奏はやはりひっぱりだこの上野通明(2024年2月)。