読みもの
2020.12.31
飯田有抄のフォトエッセイ「暮らしのスキマに」 File.41

光差す2021年へ——芸術家たちがエネルギーを注いだ音楽は生き続ける

飯田有抄
飯田有抄 クラシック音楽ファシリテーター

1974年生まれ。東京藝術大学音楽学部楽理科卒業、同大学院修士課程修了。Maqcuqrie University(シドニー)通訳翻訳修士課程修了。2008年よりクラシ...

この記事をシェアする
Twiter
Facebook

2020年の最後の日は、フォトエッセイ更新日の木曜日となりました。

「不安」という心情を、おそらくだれもが抱くことになった2020年ですが、その「不安」というのもいろいろと、日々、グラデーションのように、性質が移り変わるのを、きっとだれもが味わったのではないでしょうか。

続きを読む

ナポレオン軍に包囲されたウィーンで、ベートーヴェンは何を思いながらオペラ《フィデリオ》を初演したのだろう。

ナチス軍に包囲されたレニングラードで、心のうちをどう保ちながら、ショスタコーヴィチは交響曲第7番を作曲したのだろう。

大戦によって崩壊してゆく祖国の街並みを見つめながら、晩年のリヒャルト・シュトラウスは何を思って《メタモルフォーゼン》を書き続けたのだろう。

大きな不安、見えない未来を前に、芸術家たちが振り絞ったエネルギーは、100年、200年の時を経て、今もなお息のかよった音楽として生き続ける。

人は、音楽は、強い。

2021年は光差す一年となりますように。
どうぞみなさま、よいお年をお迎えください。
フォトエッセイより、この作品を贈ります。

フィンランドの作曲家、エイノユハニ・ラウタヴァーラ(1928〜2016)交響曲第7番「光の天使」から第3楽章です。

エイノユハニ・ラウタヴァーラ(1928〜2016)。ヘルシンキに生まれ、シベリウス音楽院に学ぶ。8つの交響曲をはじめ、協奏曲やオペラなど数多くの作品がある。
飯田有抄
飯田有抄 クラシック音楽ファシリテーター

1974年生まれ。東京藝術大学音楽学部楽理科卒業、同大学院修士課程修了。Maqcuqrie University(シドニー)通訳翻訳修士課程修了。2008年よりクラシ...

ONTOMOの更新情報を1~2週間に1度まとめてお知らせします!

更新情報をSNSでチェック
ページのトップへ