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2021.05.13
飯田有抄のフォトエッセイ「暮らしのスキマに」 File.60

ラルゴなひとときを、ラフマニノフがゆったりと時間をかけて書いたピアノ曲で

飯田有抄
飯田有抄 クラシック音楽ファシリテーター

1974年生まれ。東京藝術大学音楽学部楽理科卒業、同大学院修士課程修了。Maqcuqrie University(シドニー)通訳翻訳修士課程修了。2008年よりクラシ...

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先日訪れた、北欧系のカフェレストラン。
シンプルなマグカップが可愛くて、“なんでもないデザイン”って、すごいなぁと思いました。

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サッと写真に撮っていたのですが、あとでよく見たら、「Largo」とありました。

音楽用語では「ゆったりと」とか「ゆるやかに」といった意味の、速度記号として使われる言葉です。
まぁコーヒーでも飲んでのんびりしなさいね、というメッセージでしょうか。

さて、ラルゴな音楽作品を一つご紹介します。

ラフマニノフのピアノ協奏曲第4番の第2楽章Largoです。

ロシア革命から逃れ、祖国を去ったセルゲイ・ラフマニノフ(1873〜1943)

亡命先のアメリカでは、ほとんど作曲はせず、ピアニストとしての活動がメインでしたが、その頃に残した数少ない作品の一つです。

4つある彼のピアノ協奏曲の中では、あまり知られていない存在かもしれませんが、このラルゴの楽章などは、暗さのある深い表情に満ちています。

1914年に着手、26年に完成するも、38年に大改訂。

それこそ、ゆったりとしたプロセスで作り上げられた作品です。

 

関連:ラフマニノフの生涯と作品を紹介した書籍

『ラフマニノフ 生涯、作品、録音』(マックス・ハリソン 著/森松皓子 訳/音楽之友社/2016年)
ラフマニノフの生涯を追いながら、その(ほぼ)全作品と録音を紹介。同時代の音楽家、友人や家族、女性等との関係も描く。元英国『タイムズ』紙の音楽批評家によるラフマニノフ「大事典」。
飯田有抄
飯田有抄 クラシック音楽ファシリテーター

1974年生まれ。東京藝術大学音楽学部楽理科卒業、同大学院修士課程修了。Maqcuqrie University(シドニー)通訳翻訳修士課程修了。2008年よりクラシ...

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